2022.05.10 出光興産グループの東亜石油ガソリンの鉛検査で不適切行為

 石油元売り大手の出光興産は6日、グループの東亜石油(川崎市川崎区)で、ガソリンなどの石油製品の品質試験について実施頻度を減らすなどの不適切な行為があったと発表した。出荷した製品には安全上問題がないことを確認しているという。

 今後、外部有識者らによる調査委員会を立ち上げ、原因究明に取り組む。

 不適切な行為があったのは東亜石油の京浜製油所(同)。ハイオクやレギュラーガソリンなどで、法律上、年に3回義務付けられている鉛の含有の有無を調べる試験を、年に1回しか測定していなかった。

 社内規定でも月に1回の実施を規定していた。試験結果を記す書類には、年に1度の測定結果を毎月、記載していたという。

 このほか、試験の不適切な行為は軽油など計12品目に及んだ。

 東亜石油の原田和久社長が3月下旬に複数の社員と意見交換する中で判明。その後の社内調査では、少なくとも2017年から継続されてきたという。

 会見した原田社長は「品質管理体制の強化を図り、再発防止に全力で取り組む」と謝罪した。