2020.01.01 【オーディオ/ヘッドホン各社の20年事業戦略】ヤマハミュージックジャパン AV・流通営業部 野口直樹 部長
野口直樹 部長
サウンドバーに期待
オーディオ市場の活性化へ
19年は、Hi-Fiも、サウンドバーやAVレシーバのビジネスもきちんと基盤を築けた年だった。消費税増税による4K8Kテレビの駆け込み需要に合わせて、サウンドバーがよく売れ、その後も堅調に推移している。
Hi-Fiカテゴリでは、アナログ再生の本質を追求したベルトドライブ方式でマニュアル操作のアナログターンテーブル「GT-5000」を11月に発売でき、スムーズな出足となった。
11月にはイヤホン分野への本格参入第1弾として、完全ワイヤレスイヤホンの「TW-E7A」「TW-E5A」「TW-E3A」と、ネックバンド型ブルートゥースイヤホン「EP-E50A」「EP-E30A」を発表した。12月に低価格帯の「TW-E3A」から発売が始まり、よいスタートが切れた。
広がるユーザー層
イヤホン/ヘッドホンユーザーは、オーディオ趣味層以外の一般層に広がっていて12月に秋葉原で開催された「ポタフェス」会場では、20年2月発売予定のノイズキャンセリング機能搭載の「TW-E7A」を待っているというお客さまの声を多数聞くことができた。
イヤホン分野は、ミレニアル世代へのブランディングが主目的。Hi-Fiイやシアター分野もきっちり訴求していくが、イヤホン分野では将来を見据えたブランド力向上を目指す。ボリュームのある市場ではあるが厳しい面もある。目標を定めて取り組んでいく。
サウンドバーは11年の地デジ移行時に購入されたテレビの買い替え需要時に売れることを予測。購入しやすい価格帯の「YAS-109」「YAS-209」2製品をそろえてテレビの音を良くしようという提案をしてきた。想定通りの展開ができている。
オリンピックイヤーでもあり、今後も期待できる分野。参入他社も増え、一昔前とは情勢は変化してきたが、注力していく。全国のオーディオ専門店との連携を密にする〝ヤマハ プレミアム・ショップ〟の展開は6年目になる。
初心者講座など支援
後継者間の連携を図っている〝ニューリーダーの会〟メンバーの中には、社長を継ぐ方もでてきている。共通課題や悩みを共有する中で生まれた、新しいお客さまを開拓する「オーディオ初心者講座」なども引き続き支援させていただく。
気軽にネットとつないで、ストリーミングで音楽を楽しむ層は確実に増えている。いつでもどこでも音楽が楽しめるようになった。
「ココロと、カラダに、とどく音」を再生するイヤホンをしっかり伸ばし、今まで培ってきたブランドも訴求して「音楽は人生を豊かにする」ことを伝える活動にも積極的に取り組み、オーディ市場活性化に努めたい。
【オーディオ/ヘッドホン各社の20年事業戦略】目次
●オーディオ市場が目まぐるしく変貌
●オーディオテクニカ 松下和雄 社長
●ヤマハミュージックジャパン AV・流通営業部 野口直樹 部長
●マクセル 乘松幸示 取締役 ライフソリューション事業本部長兼キーデバイス事業部長
●ラックスマン 川上晃義 社長
●アキュフェーズ 伊藤英晴 社長
●オーエス 奥村正之 社長