2022.05.24 大阪ガス、米国で太陽光発電を推進 70万kW超を追加、現地開発企業と共同スキーム
稼働を始めたノースカロライナ州の太陽光発電所
大阪ガスは、米国の再生可能エネルギー発電開発事業者と、米国内に合計70万kW以上の太陽光発電所を共同開発すると発表した。10万kW以上の大規模施設を数カ所建設する。大阪ガスは、米国で現地企業と連携するスキームを複数構築しながら太陽光を中心に再エネを拡大させる方針で、今回もその一環。
共同開発に合意したのは、ペンシルベニア州ピッツバーグに本社を置くオリデン社だ。三菱重工グループの事業者で2019年設立。米国内で複数の太陽光発電所を手掛けている。
オリデン社がノースカロライナ州で開発を進めていたブライターヒューチャー太陽光発電所(発電容量1万5700kW)を、21年9月に大阪ガスグループと三菱重工グループが折半して取得したことが縁となり、今回のプロジェクトが決まった。同発電所は今年1月に商業運転を開始。25年間にわたり地元の電力事業者に売電される予定だ。
大阪ガスグループは、30年度までに自社開発や保有分に加え、他社から調達するなどして、国内外で再エネ電源500万kWを普及させることを目標としている。その達成に向けて、「海外での重点地域」(大阪ガス)と位置付けるのが米国だ。
米国でシェールガス開発事業などを手掛けているグループの現地子会社が、3本事業の柱の一つとして発電事業を展開。20年に再エネ事業にも参入した。22年3月までに開発や参画などした太陽光発電所の持ち分は、設備容量約5・3万kWになっている。
21年7月にも「大規模太陽光発電を共同開発する同じようなスキーム」(同)を公表した。ミシガン州に本社を置く電源開発会社、ノバイエナジー社と、中西部や北東部地域を中心に共同で発電所を建設していく。建設地の確保や送電系統への接続に必要な措置を進め、出力10万~20万kW程度を複数建設して、合計100万kW以上へと拡大させる。
オリデン社との開発は、両社で22年1月に設立した新会社が中心となって進める。主に中西部地域に建設し、1発電所当たり15万~35万kW程度を予定する。少なくとも最初の発電所は25年度中に建設着工する計画で、その後、複数の開発に乗り出す。目標とする70万kW以上には、「開発を目指している複数の案件がうまく建設にまでこぎ着けられれば積み上がる」(同)という。