2022.05.25 【次世代自動車用部品・材料特集】日本電計ADAS性能試験 仮想から実車までテスト提案

模擬バイク(左)の後方の試験車両が自動ブレーキに対応できるか試験する

 日本電計はADAS(先進運転支援システム)など次世代自動車開発に向けた試験ソリューションの提案を強化している。

 4月に「モビリティ市場推進部」を設置。ADASをはじめ自動運転やセンサー、レーダー、車車間通信など先端領域の計測に関わる自動車業界の課題に対し、従来の商社機能に付加した専門性で解決支援を図る。

 「ADASテスティングサポート」として、日本自動車研究所(JARI)の城里テストセンター(茨城県城里町)にADAS性能に関する試験環境を構え、常駐スタッフが受託試験に対応している。

 自動車試験システム関連のサプライヤーでドライビングシミュレーターや運転ロボットなどを手掛けるAB Dynamics(ABダイナミクス)の製品を中心にそろえ、自動車安全性能を評価する各国NCAP(新車アセスメントプログラム)に合わせた各種試験を実施。危険回避や危険予知の機能で事故を未然に防止するためのアクティブセーフティー技術に関する評価項目などの試験を行う。

 ABダイナミクスのプラットフォーム(車台)に歩行者や大型バイク、自転車などの模型を乗せて、ユーザーの要望に合わせた試験シナリオを構築。ペダルロボットやステアリングロボットが試験車両を制御しながら、急減速するダミー車と衝突せずに停車できるかなどを評価する。

 国内大手自動車メーカーが、新たな運転支援技術開発に向けて行う実走行試験の環境づくりにも協力した。

 城里テストセンターには受託試験用の管理倉庫を設置。7月に同センターにオープンするADAS専用のテストコースを活用した試験スキームを組む。

 自動ブレーキに関する国際基準に準拠した測定器も提供する。

 仮想環境でのシミュレーションから試験室での台上実験、実車を使ったテストコース走行まで一連の試験ソリューションを用意し、開発の期間と費用の削減に寄与できるのが強みだ。