2022.06.03 順天堂大など 3Dオンライン診療の実証実験に成功VR上で専門医と患者が対面

HMDを頭部に付け3次元オンライン診療を行う大山准教授=3日、東京都文京区の順天堂大学

 順天堂大学などは3日、3次元(3D)オンライン診療システムを使った遠隔診療の実証実験に成功したと発表した。離れた場所のいる専門医と患者が仮想現実(VR)上で、実際に対面している感覚で診療が受けられるシステムで、医療での利用は世界初の試み。当面はテスト診療で有用性を検証し、実用化を目指す。

 実証実験は、順大医学部神経学講座・順天堂医院脳神経内科の服部信孝教授、大山彦光准教授らのグループと、パーキンソン病専門施設を展開するサンウェルズ(石川県金沢市)が共同で2月ごろから実施。金沢市の施設と東京都文京区の順大病院を専用ネットワークで結び、大山准教授が患者2人を対象に3Dオンライン診療を行った。

 システムは、マイクロソフトの3Dセンサー「Azure Kinect(アジュールキネクト)」を活用。現実の人物や物体の動きをデジタル的に記録するモーションキャプチャーとヘッドマウントディスプレイ(HMD)を組み合わせ、患者は仮想現実(VR)上で離れた場所にいる医師が目の前にいる感覚で診療を受けられる仕組みだ。

 実用化に向け、来月ごろから施設の希望する患者を対象にテスト診療を行い、ネットワークの通信速度や画像の質などを改善。患者にアンケートを実施した上で9月ごろから実際の診療で活用したい考え。

(詳細は6日付の電波新聞・電波新聞デジタルに掲載します)