2022.06.08 環境に優しい給食食器開発で連携パナソニックと京都・福知山市

連携協定締結式。左からパナソニックHD MI本部小原本部長、福知山市の大橋市長、パナソニック プロダクション エンジニアリングの柳本社長

福知山市の間伐材を利用し、パナソニックの技術で人と環境にやさしい給食食器を開発する福知山市の間伐材を利用し、パナソニックの技術で人と環境にやさしい給食食器を開発する

 京都府福知山市とパナソニック ホールディングス マニュファクチャリングイノベーション(MⅠ)本部、パナソニック プロダクション エンジニアリングは、福知山市立小中学校(23校)で使う環境に優しい素材を使った学校給食食器の開発で連携した。

 人と環境にやさしい給食器開発を通して、SDGsの取組推進と資源循環型社会の構築を目指していく。6日に、大阪府門真市のパナソニック MI本部で福知山市の大橋一夫市長とMI本部の小原英夫本部長ら関係者が出席し、連携協定締結式を行った。

 パナソニックグループが開発した「kinari(キナリ)」は、植物繊維(セルロースファイバー)を高濃度で樹脂に混ぜ込む独自技術で、石油由来材料の削減と100%再生可能な材料として、環境意識が高い企業から多くの問合せと共に、リユースカップやカトラリー、ボタンなどへの活用が進んでいる。

 このほど、SDGsの取り組み推進と資源循環型社会の実現に向けた取り組みを推進する福知山市と共同で、独自の環境配慮型食器の製品化による環境負荷低減に取り組む。

 さらに、小中学校のフィールドにおける使用実証を通じて、安心安全で使いやすい食器となるよう改良を行い、2023年の第二学期以降を目途に23校約6700人分の実導入を目指していく。

 「kinari」に使用する繊維材料は福知山市内の森林(人工林)の間伐材(スギ・ヒノキ)を原材料に使用することを進め、小中学生の環境問題への理解、地域資源の魅力再発見、シビックプライドの醸成につなげていく。

 開発する給食食器はトレーと食器4点(計5点)で、大きさ(重さ)、形状、持ちやすさ、使いやすさなど総合的に検証しながら開発を進める。

 約6700人分の給食食器(樹脂製)が新開発の食器に置き換わることでのCO₂削減効果は5.5万トン分に相当する。

(10日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)