2022.07.08 【電子部品技術総合特集】バイコー 羽岡哲郎 シニアアプリケーションエンジニア

羽岡 エンジニア

技術力で顧客をサポート 高難易度の課題を解決

 バイコーはインダストリアル、AI・データセンター、自動車などを重点分野とし、顧客の最先端の技術革新に貢献している。電源専業メーカーとしての高い技術とノウハウを生かし、小型、高効率、高電力密度の電源製品を幅広い産業に提供する。

 同社は米国マサチューセッツ州に本社を置く、電源コンポーネントの専業メーカー。1981年の創業以来、独自の技術力を生かした電源設計・開発を行い、データセンターやHPC、産業機器、ロボティクス、自動車、鉄道、通信、航空宇宙防衛など幅広い分野に製品供給を行っている。

 開発は米国本社で集中的に行っている。世界中の拠点で集めた開発ニーズを本社にフィードバックし、地域特性を踏まえた幅広い製品開発を展開。技術力こそ成長の原動力と位置付け、毎年売り上げの15%を研究開発投資に充てている。

 電力密度の高い電源モジュールが同社の強み。電力損失を最小限に抑えた回路構成や高効率の電力制御、小型化などを研究開発の主要テーマとしている。

 非絶縁型中間バスコンバーター「NBM2317」も高周波ゼロ電圧スイッチング(ZVS)技術を採用し、変換効率と電力密度が高いことが特徴だ。

 今年アップグレードされた最新タイプのNBM2317は、従来のものより薄型になったにもかかわらず、電力密度は従来の272W/平方センチメートルから、488W/平方センチメートルと非常に高くなった。一般的なDC-DCコンバーターと比べ、小型・軽量化を実現しており、高性能な電源ソリューションの提供を可能にしている。

 インダストリアル分野では、半導体製造装置やテスター、産業用ドローン、ロボットなどの幅広いアプリケーションに採用されている。

 電動化が進む自動車は小型化や高電力密度のニーズも多く、成長性の高い市場。最適な製品の開発に取り組む。

 日本の顧客へのテクニカルサポートを担う羽岡哲郎シニアアプリケーションエンジニアは、「インダストリアル、自動車、AI・データセンターなど、分野によって電源に対する要求が違う。当社が強みを持つ高電力密度や小型化をベースに、それぞれに合わせた最適化が必要だ。それを実現できるのがバイコーの技術力。今後もお客さまと密接に連携し、難易度の高い電源の技術課題を解決していくことで、お客さまの事業開発の推進に貢献していきたい」と話す。