2022.07.28 【半導体/エレクトロニクス商社特集】伯東ソリューション事業を強化、医療・環境・エネ拡大

阿部 社長

 伯東は、半導体・電子部品、電子・電気機器(システム)、工業薬品の3事業を主力とする。2022年3月期は6期連続の増収を計上するなど堅実経営で事業を拡大している。

 阿部良二社長は「半導体・電子部品事業はパソコン(PC)・タブレット端末向けは伸びがやや鈍化しているが、車載や産業機器の需要は高水準で推移している。電子・電気機器事業は半導体製造装置関連を中心に動きは活発。半導体不足や為替の問題、地政学的リスクなど懸念材料は多いが、当社が対象とする事業領域の需要は前年の好調を継続しており、少なくとも今年度第3四半期までは続く」と予想する。

 今年度は21年度から始まった24年度を最終とする中期経営計画の2年目に入っている。阿部社長は「今年度は半導体・電子部品、電子・電気機器事業ともにソリューション事業の強化を重点に取り組んでいる。分野では医療、環境、エネルギーをさらに拡大したい」と述べる。21年4月に「ビジネスイノベーション推進事業部」を新たに組織し、従来の単品で販売するビジネスからモジュールでの販売へと事業構造の転換を加速する。

 医療分野では大学と連携し、遠隔医療のシステム開発を開始。エネルギー分野は自社の太陽光発電の知見を生かしたビジネスを、また食品や産業分野へのオゾン応用の新規プロジェクトも始動している。環境分野では東南アジアの工場などで、排出される臭気の分析、消臭するシステムの提案を行うコンサルティングビジネスを開始している。

 電子・電気機器は独セントロサーム社(アニール炉、リフロー炉など、熱処理炉)、仏リベール社(MBE装置)、独ファイファーバキューム社(真空機器)など海外商材を広げている。一方でサプライヤーや関連企業との連携により、オリジナルな機能を付加した製品を「伯東ブランド」として提供する。

 海外はアジアの組織を中華圏統括(上海、深圳、香港、台湾)とASEAN圏統括(シンガポール、タイ、マレーシア)に再編し、域内一気通貫の営業体制を拡充する。