2022.07.28 【半導体/エレクトロニクス商社特集】たけびし海外・新規事業に積極取り組み、風力発電事業に参入も
小倉 社長
たけびしは、海外事業や新規事業への取り組みを積極的に推進している。昨年子会社化したシンガポールで電子部品・機器販売を行うLe Champ(リ・チャンプ)に加え、今年4月にはベトナムの拠点を法人化。6月には風力発電事業への参入を表明した。好調な業績に準じ、中期ビジョンの売り上げ1000億円にチャレンジする。
同社の2022年3月期通期連結業績は増収増益を果たした。主力のFA・デバイス事業は産業機器システム分野でFA機器が半導体製造装置関連、電子部品実装機関連で大幅増。半導体・デバイス分野でもリ・チャンプがデバイスの売り上げ増に寄与した。
リ・チャンプは東南アジア各国など8国17拠点を展開。約600社の顧客基盤と日本などメーカー約200社の仕入れ先がある。一方でたけびしの顧客基盤、メーカーの仕入れ先ともほとんど被らない。クロスセルの相乗効果が大きく見込めるという。小倉勇社長は「当社の海外拠点と連携できている。順調なスタートを切れた」と話す。
他の海外展開では、4月に法人化したベトナム拠点が小規模ながら順調に推移。現地スタッフも含め、事業の拡大を目指している。現地の製品を日本に取り入れる活動のほか、日本の製品を現地に導入する提案も進めている。将来的には人員増も検討し、事業拡大を図る。
今年6月に風力発電事業への参入を表明した同社。現在、土地の取得に向けて準備を進めている。23年度中に大型の風力発電を開設し事業をスタートさせ、順次設置台数を増やす方針。毎年着実に設置し、事業として拡大する。
7月からの足元の状況は、納期問題が空調関連で改善しつつあるという。金額面では順調に推移。このほど、開催した総合展示会・たけびしフェアでは商談が活発に進んだ。小倉社長は「国内ではものづくりの復活で自動化ビジネスが引き続き動くと見る。海外では韓国の動きにも注視したい。国交の動きがある中、ものの動きやビジネスを意識した動きも必要だ」と語った。