2022.07.28 【半導体/エレクトロニクス商社特集】東京応化工業中計で5つの戦略開始、200億円の積極投資を計画

種市 社長

 東京応化工業は、半導体用フォトレジストや高純度化学薬品の販売で実績を拡大している。今年度第1四半期(22年1~3月)業績も、旺盛な半導体需要を背景に大幅な増収増益となった。

 種市順昭社長は、「直近も多忙さが続いている。原材料価格値上がりによる厳しさはあるが、販売・生産は計画通りで、高い需要が続いている。下期に向けてもネガティブな要素は考えていないが、常に警戒感を持って、顧客との情報共有を図りながら営業活動を進める」と話す。

 同社は22年12月期からTOKグループ新中期計画「tok中期計画2024」(3カ年)をスタート。新中計では①先端レジストのグローバルシェア向上②電子材料および新規分野でのコア技術の獲得/創出③高品質製品の安定供給とグループに最適な生産体制の構築④従業員エンゲージメントを向上させ人を生かす経営の推進⑤健全で効率的な経営基盤の整備の五つの戦略を通じてSDGsの達成に貢献する。

 今年度の設備投資は約200億円の積極投資を計画。マーケットシェア拡大のための増産投資や開発加速のための投資などに充当し、「ここまで、計画通りのペースで進捗している」(種市社長)。

 同社は、熊本新工場建設に今年中に着工予定。高純度化学薬品の最新鋭工場として整備する。半導体用フォトレジストの主力工場の郡山工場では新検査棟が7月中に完成予定。このほか、各工場で生産増強を進める。

 エレクトロニクス機能材料の製品戦略は①EUVなどの微細化製品②3次元実装プロセス向けパッケージング材料③アナログ・デジタル向けレガシー製品の3分野での拡大を図る。

 「EUVレジストは好調に拡大している。一方で最近はi線やg線などへのニーズも強く、増産を進めている。当社はあらゆる種類のレジストをポートフォリオにそろえている」(種市社長)。

 高純度化学薬品は、高品質かつ輸送の効率化の追求を進める。「今後も半導体技術が進化する中で、必要な製品を提供していく」と種市社長は話す。