2022.07.28 【半導体/エレクトロニクス商社特集】菱電商事4基幹事業にICT技術融合、成長戦略事業を軌道に

富澤 社長

 菱電商事は、三菱電機のFA・冷熱・ビル・半導体の総合代理店を事業基盤として、これら4基幹事業にICT技術を融合した幅広い事業領域でグローバルな事業創出会社として新しい価値の創造を目指している。

 1947年に創立以来、今年4月に75周年を迎えた。6月に正垣信雄代表取締役社長がシニアアドバイザーに就任し、富澤克行副社長執行役員が新代表取締役社長に昇格した。2023年4月1日付で社名を「RYODEN」に変更する。

 富澤社長は「4基幹事業で培ったノウハウ・技術にセンシングなどICT技術を融合して新たな価値を提供するとともに、成長戦略事業のスマートアグリや医療・ヘルスケアを軌道に乗せる。中期経営計画3年目の22年度は、この2年間に取り組んできた事業を総点検し、今後の方向性や戦略を決める重要な1年になる」と述べる。

 FAとICTの融合では、工場向けネットワークカメラソリューション「FlaRevo(フラレボ)」を、食品工場をはじめとした各製造業へ拡大し、着実に売り上げを伸ばしている。

 スマートアグリ事業では、グループ会社の次世代型植物工場「Block FARM(ブロックファーム)」が静岡県沼津市に完成した。同社が開発した環境制御アルゴリズム、植物工場専用IoTシステムと、合弁パートナーのファームシップのノウハウを組み合わせた新しい植物工場を目指す。

 新規事業では、アース環境サービスとの協業による「Pescle(ペスクル)」サービスを開始した。食品工場や店舗などにおいて、ネズミなどの害獣がいないことをセンサーユニットと独自のAIで常時監視するシステムで、食の安心・安全に対する要求の高まりに対応する。

 このほか、ゼロボード(東京都港区)と協業し、グローバルでの課題であるGHG(温室効果ガス)排出量削減を目的とした新たなビジネスも始める。

 海外については、中国の内陸部強化のため昨年7月、安徽省合肥市に新たな拠点を設け、また成都での人員強化を実施した。