2022.07.28 【半導体/エレクトロニクス商社特集】カナデンデジタルマーケティング構築、新規商材発掘などASEAN強化

本橋 社長

 カナデンは、FAシステム、ビル設備、交通、社会インフラ、半導体・デバイス、映像・情報通信の6事業を柱に、国内のほか海外でも日系企業を中心に中国・東南アジアで事業を展開している。

 本橋伸幸社長は「半導体・デバイス、FAシステムともに品不足が続き、原材料などの高騰に伴う製品値上げ、物流コストの上昇など課題も多いが、業界によるまだら模様感はあるものの需要は半導体・デバイス、FAとも前年を上回る高い水準で推移している」と述べる。

 今年度は、2021年度からスタートした中期経営計画「ES・C2025」の2年目。同計画では、基本戦略に「持続的成長に向けた収益構造の強化」を掲げ、既存事業の競争力強化、新規成長分野の拡大、「カナデンDX」の推進などに取り組む。初年度はカナデンDXの一環として「製品サイト」を立ち上げ、デジタルマーケティングの仕組みや営業支援システムの構築に取り組んできた。製品サイトには、現在270社760製品を紹介し、製品動画も230本を公開するなどコンテンツを拡充している。

 全社の技術ハブに位置付けるソリューション技術本部内に「ソリューション営業部」を22年度に新設。本橋社長は「ソリューション営業部は大手顧客などに対して全ての商材による組織横断のソリューションを提供。デジタルマーケティング、インサイドセールスと連携した営業手法を確立し、新規顧客にも対応する」と説明する。

 半導体・デバイス分野は、韓国や台湾を中心に新規商材の発掘による売り上げ拡大に取り組んでおり、カードリーダーやリレーなどの取り扱いを始めた。

 海外はASEANを強化する。本橋社長は「3年前に新設したベトナムの拠点とタイとの連携によるFA事業の拡大などASEANを強化する。タイの合弁企業FACOM-KDとの連携により、工場を中心とした自動化の案件も増えている。タイはこれまでFAが中心だったが、カナデンタイに半導体・デバイスの専任担当を配置し、取り扱いを拡大する」と話している。