2022.08.04 ICT活用で食関連データ一元化慶大や政府など協力のコンソ

ウカビスのサイトから。ロゴは、ウカノミタマノカミからお稲荷様(キツネ)にちなんだ上部と、恵比寿天からタイにちなんだ下部を組み合わせた

 慶応大学や政府が協力して進めるフードチェーンのプラットフォームを生かし、農産物などの生産から食品流通までといった情報を一元管理する。そんなシステムの運用が、近く本格的に始まる見通しになった。エレクトロニクス業界や物流業界も協力。ICT技術を生かし、物流の合理化なども推進する。世界的にも珍しい取り組みだ。

 中心役は慶応大SFC研究所の神成淳司教授ら。内閣府とも連携し、スマートフードチェーンプラットフォーム「ukabis(ウカビス)」を立ち上げた。普及が進めば、農産物の生産側から、物流関係者、小売店での流通まで、生産者名や生産情報、温度管理の履歴などのさまざまなデータがシステムに集積される。

 例えば、店頭でQRコードを使って、こうしたデータが閲覧できるようになる。また、さまざまな、産地関連の証明にもつなげて偽装を防げる。

 少し変わった名前は、陸の恵みである五穀豊穣の神様・宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)と、海の恵みである豊漁の神様・恵比寿天にあやかった造語。

 食品ロスの削減で想定されているのが、子ども食堂との連携。先に大阪府でシステムの実証実験を手掛けた。期限の近い災害用備蓄食品などを届けるなどした。

 業種の枠を超えて、食関連のデータの「見える化」につながりそうだ。

(5日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)