2022.08.17 超音波センサーで静脈認証もOKIがベンチャーと新技術、「MEMS」参入へ

試作されたデバイス

 OKIと、単結晶薄膜を手掛けるベンチャー、KRYSTAL(クリスタル)は17日、新しいタイプの「MEMSデバイス」の試作に成功したと発表した。

 圧電MEMSデバイスは、圧力を電気に変えるなどするもの。その仕組みを使い、例えば振動を超音波に変え、それで指紋を検知し、スマホやATMといった場面で生体認証ができる。

 生体認証は通常、静電容量や光学といった方式が使われる。両社は、それが超音波センサーの方式でも可能で、かつ感度を引き上げれば、皮膚の中まで届く静脈認証も可能になり、より高セキュリティーにできることに着目した。
OKIがかねて得意とする接合技術と、クリスタル社の圧電薄膜の技術を融合するべく、約1年前に共同で開発に着手。感度を16倍にするメドが立った。

 この結果を踏まえOKIは、ウエハーとしてデバイスメーカーに提供することを想定、MEMS分野に初めて本格的に乗り出す。来年からの販売開始を予定し、当面100億円の売上高を目指す。
(18日付電波新聞・電波新聞デジタルで詳報します)