2022.09.16 【抵抗器特集】アルファ・エレクトロニクス 超精密金属箔抵抗器などを主力

 アルファ・エレクトロニクスは、VPGフォイル抵抗器事業部の一員として、超高精度・超高信頼性を誇る金属箔(はく)抵抗器を主力事業にする。

 圧倒的な性能を誇る同社の超精密金属箔抵抗器は、薄膜抵抗器や巻線抵抗器とは異なり、数マイクロメートル厚に圧延されたニクロム系金属箔を、平滑なセラミック基板に接着して抵抗体とした抵抗器。独自の合金配合や処理製法に強みがある。

 金属箔抵抗器は、半導体製造装置や精密計測器、医療機器など精度と信頼性が要求される分野で実績を伸ばす。0.14ppm/度(代表値)という最小抵抗温度係数(TCR)、5ppm/年、10ppm/3年といった、非常に優れた長期安定性を提供する。

 製品群には、個別抵抗や表面実装型の抵抗ネットワーク、スルーホール部品のほか、カスタムメードのチップ抵抗ネットワーク、ハイブリッド回路用の個別チップ抵抗器などをそろえている。

 中でも注力するのは高精度チップ金属箔抵抗器「RWA、RWB、RWC」のシリーズで、1608、2012、3216の3サイズを用意している。

 高い定格電力、抵抗温度特性プラスマイナス1、2、5ppm/度、抵抗値許容差プラスマイナス0.01%、負荷寿命プラスマイナス0.005%(70度、2000時間、定格電力)の特性を持つ。

 旺盛な需要増に対応し、秋田の工場では今夏、新工場棟を建設。この最新RWシリーズを中心に、生産能力を約3倍に増強した。

 同社の製品は国際的にも評価が高い。キログラムの定義方法が、パリにある「キログラム原器」を基準にする定義から、「プランク定数」を用いた方法に移行された際、同社の標準抵抗器が使われた実績がある。