2022.09.28 【関西エレクトロニクス産業特集】カーボンニュートラル 環境配慮を最優先課題 各社、中長期経営戦略に力
カーボンニュートラルの実現に向けた経営戦略が加速している
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、ESG経営の加速に関西のエレクトロニクスメーカー各社は力を入れている。
各社では、CO₂排出抑制など環境への配慮を進めつつ、事業成長との両輪を果たすべく、大胆な投資にも取り組みながら、中長期での経営戦略を構築する。地球環境に配慮した製品や技術の開発を強め、新たな成長事業の創出にも取り組む。
関西に拠点を置く電機メーカー大手3社でも、環境配慮を最優先課題とした、中長期の経営戦略に取り組んでいる。
パナソニックでは、新たな環境コンセプト「Panasonic GREEN IMPACT」を発信し、グループを挙げて環境対策に全力で取り組んでいる。4月には、新たに50年に向けたグループの事業活動を通じ、現時点での全世界CO₂総排出量の1%に当たる3億トン以上の削減インパクトを目指す具体的な計画を明らかにした。
内訳は①社会の脱炭素効果も含めた自社バリューチェーンにおけるCO₂排出削減インパクトが1.1億トン(CO₂排出量実質ゼロの実現)②既存事業領域で、例えば車載電池による環境車の普及拡大などによる顧客の排出削減に伴う貢献インパクトで1億㌧③水素エネルギーなどの新事業、新技術による社会への排出削減貢献で1億トン、となる。
この目標についてパナソニック ホールディングスの楠見雄規グループCEOは「グループの中長期戦略の中心に据えて、戦略投資やお役立ちのアクションを行っていく」方針だ。
ダイキン工業も、戦略経営計画「FUSION25」(21~25年度)において、成長戦略の一つとしてカーボンニュートラルへの挑戦を掲げる。インバーターエアコンのグローバルでの普及加速、燃焼暖房・給湯からヒートポンプ式への置き換え、低GWP冷媒化などに全力をあげる。
シャープは、呉柏勲CEOの下、Environmental(カーボンニュートラルへの貢献など)、Social(健康関連事業の強化、真のグローバル企業へなど)、Governance(人〝HITO〟を生かす経営など)のESGベースの経営を加速している。