2022.09.29 【部品メーカー・商社ASEAN特集】イリソ エレクトロニクス ベトナム(イリソ電子工業)、フローティングコネクターで実績

ベトナム工場の外観

塩屋 MD塩屋 MD

 イリソ電子工業は、ハノイ地区に製造子会社「イリソ エレクトロニクス ベトナム」を展開。車載用を主力に、ボード・ツー・ボードコネクターやFPC/FFCコネクターを生産し、生産性向上に全力を挙げている。

 現在は生産の約8割を車載用が占め、車載ボード・ツー・ボードコネクターを中心に大きく生産規模を拡大。強みであるフローティングコネクターで実績を上げている。

 塩屋俊作MDは「昨年はロックダウンで苦労したが、現在は安定し、プレスや成形工程はフル操業が続いている。材料調達も本社と連携して調達先拡大や代替材採用などに取り組み、かなり回復してきている」と話す。

 同工場はプレス、成形、めっき、組み立てを同一建屋内で一貫生産する自社完結型工場で、量産金型の設計も行う。組み立ては全てクリーンエリアで実施する。工場規模は約3万6000平方メートルの敷地に建物面積約2万平方メートル。従業員数は900人弱。

 同工場では人員配置の最適化、また、さらなる自動化などを進めている。「コロナ禍による20年5、6月ごろの需要急減を機に、人員の最適化の重要性を再認識した。ESG経営で掲げる荷重労働防止も重要だ。このため仕事の中身を見直し、人の有効活用を進めることで効率向上に努めている」と塩屋MDは説明する。

 工程合理化では、自動化に加え、工程内でのカメラによる自動外観検査ユニット拡充などを推進。定型的な入力業務のRPA置き換えも進めた。

 環境対応では、PVやLED照明の活用とともに、エアコン室外機の遮熱による効率向上、放射熱が伝わりにくい塗料の建屋天井への使用、工場内吸排気の見直しでCO₂排出量削減に努めている。

 順次、生産能力向上を推し進める。「5月に成形機を2台増設したが、プレス・成形能力が不足しているため、工場内のレイアウト見直しを含め、内製能力拡大を検討していく」(塩屋MD)。今後も行動指針である「3G6S」活動に徹底して取り組む。