2022.09.29 【部品メーカー・商社ASEAN特集】スミダコーポレーション ベトナム・クアンガイ工場(スミダコーポレーション)、市場ニーズにマッチした製品製造

ベトナム・クアンガイ工場の外観

畑山 VP畑山 VP

 スミダコーポレーションは、ASEANではタイとベトナム(ハイフォン、クアンガイ)に製造拠点を構える。中期経営計画においてテーマの一つに「ベトナムでの生産能力拡大」を掲げており、特にベトナムでの建屋増設を含む積極的な生産体制の拡充を進めている。

 畑山佳之VP(アジア製造戦略)は「チャイナリスクを踏まえ、顧客からのASEANでのモノづくり体制構築の要求が強いため、そうしたニーズに応えるべく体制拡充に努めている」と強調。

 3拠点とも現地ローカルによるオペレーション体制が構築され、市場ニーズにマッチした製品を製造している。「成長戦略を通じて従業員が豊かになることを戦略の基本としている」(畑山VP)。

 ベトナムでは北部ハイフォンと中部クアンガイに工場を展開。ハイフォン工場は、民生機器向けを中心としたパワーインダクターやトランスを生産する。クアンガイ工場は、車載向けコイル部品を主力に生産し、近年はEV用トランスで実績を拡大。一部、民生機器向け製品も生産する。

 クアンガイ工場は、EVなどでの旺盛な需要に対応するため積極的な体制増強を進めており、既存の第1工場に続き、2月には第2工場が稼働した。

 さらに第3工場増築にも着手して11月の稼働を予定。第3工場の延べ床面積は約1万3000平方メートルで、これによりクアンガイ工場の総延べ床面積は3万3000平方メートルまで拡張される。

 タイ工場は、車載向け製品を中心に医療系部品なども生産し、ほぼ自動化された生産ラインで高度な生産活動を行う。

 最近の生産動向を畑山VPは「多忙な状況が続いている。特に新しい製品は中国以外の地域での製造を希望する顧客が多く、今後も生産規模が拡大していく見通し」と説明。

 今後の展開については「現地化を一層進める。工場ごとの強みを生かしながら、さらにギアを上げ、スムーズなオペレーションを立ち上げていく」と話す。設備の現調化も強化する。