2022.11.14 半導体新会社に期待と慎重交錯 NTT社長「人材は供給したい」とするも…

ラピダスの会見のもよう(小池社長=左=と東会長)

 政府が後押しし、日本企業8社が出資を表明した次世代半導体の新会社・Rapidus(ラピダス)の設立表明から週明けを迎えた14日、内外の企業からはさまざまな声が聞かれた。期待と慎重な声が入り混じっている形で、政府の本腰を待望する声も聞かれる。

 出資社の1社、NTTの島田明社長は14日、「スマホの先、さまざまなデバイスを作ろうとする上でも、少量多品種に対応してくれるメーカーが国内にあるのは望ましい。ラピダスに期待している」と歓迎した。

 背景には、一定のロットがないとファウンドリーの生産でも後回しにされ、確保が容易ではないという事情がある。

 また、「人材は供給したい」と協力の意欲を示し、同社の進める光電融合など、技術面でも連携する可能性を示した。

 ただ、米国のチップ法などを引き合いに出し、「日本でも生産していこうとすれば、政府が相応の支援をしないと(資金面では)難しいのではないか」と、政府の取り組みを促しつつ、追加出資には慎重な姿勢を示した。

 ある海外のファブレスメーカーの関係者は「地政学リスクも考慮が必要」と、台湾有事も想定して日本に生産基盤ができることを歓迎する。

 ただ、別の出資企業からは、「当社側からは特に発表する内容はない」との声も聞かれるなど、「お付き合い」の雰囲気も漂う。今後「人・モノ・カネ」をどう確保するかが試金石になりそうだ。
(15日付電波新聞・電波新聞デジタルで詳報します)