2022.11.15 理研と富士通の「富岳」が2部門で6期連続1位 スパコン世界ランキング

スーパーコンピューター「富岳」(提供=富士通)

 理化学研究所と富士通が共同開発し昨年3月に本格稼働を始めたスーパーコンピューター「富岳」が、計算性能を競う世界ランキングの2部門で6期連続の1位を獲得した。スパコンの計算速度を評価する世界ランキング「トップ500」は前期に続き2位となり、産業の国際競争力を左右する計算能力の高さを証明した。

 スパコンの性能ランキングは、米テキサス州ダラスで開催中のHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)に関する国際会議「SC22」で14日(現地時間)に発表された。

 富岳はランキングの主要部門のうち、産業向けアプリケーションの処理速度を評価する「HPCG」と、膨大なデータ処理で必要となるグラフ解析の能力を測る「Graph500」で1位を獲得した。

 中でもHPCGでは、432筐体(15万8976ノード)で構成されるシステムを用いて、16.00ペタ(ペタは1000兆)フロップス(1秒当たりの浮動小数点演算回数)という高いスコアを達成し、2位の米国に約1.1倍の性能差を付けた。

 一方で「TOP500」は、2期連続で2位。人工知能(AI)関連処理の性能を測る「HPL―AI」は前期の2位から3位に後退したが、デジタル技術で便利で快適な暮らしを実現する超スマート社会「ソサエティー5.0」に役立つインフラとしての存在感を国内外に示した格好だ。

 富岳は、昨年11月に「TOP500」など四つの世界ランキングで、2020年6月から4期連続となる1位を獲得した実績を持つ。