2022.12.06 キヤノンが半導体後工程向け露光装置 前工程技術を応用 高密度パッケージに対応
キヤノンの後工程向けi線半導体露光装置「FPA-5520iV LF2オプション」
キヤノンは、後工程で行われるパッケージングでの高密度化の要求を受け、半導体デバイス製造の後工程向け露光装置を開発した。
新製品「FPA-5520iV LF2オプション」はi線と呼ばれる波長365ナノメートルの光を使用。複数の半導体チップを並べて接続する2.5次元技術、半導体チップを積層する3次元技術を活用して半導体デバイスの性能向上を図るニーズに応えた。
露光の際に生じるひずみを大きく改善したのがポイント。前工程で使う投影光学系の補正非球面ガラスを搭載してひずみを補正する。従来機種に比べ歪曲収差を4分の1以下に抑えた。
後工程で補正非球面ガラスによる歪み補正を行う装置は同社によれば業界初。同社の強みである前工程での高度な技術を後工程で応用した。
もう一つの大きな特長は超広画角だ。前工程で標準の画角(26×33ミリメートル)に対し、52×68ミリメートルの広画角で0.8マイクロメートルの解像力を実現した。
4枚のレチクル(マスク)を用いて露光と位置合わせを順に行う(つなぎ露光)ことで、100×100ミリメートル以上の超広画角で高密度配線パッケージの量産が可能になる。
前工程で作ったシリコンチップを再構成基板の上に並べ直して露光処理をする際に生じる、基板の反りに対して柔軟な搬送システムも採用。チップの再配列時に生じるばらつきにも対応し、稼働率の向上に寄与する。
発売は来年1月上旬を予定する。
(9日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)