2022.12.14 【「セミコンジャパン2022」特集】「未来を変える。未来が変わる」をテーマに東京ビッグサイトで14日開幕
リアル展でにぎわった前回の様子(「セミコンジャパン2021」)
半導体製造に関わる技術・装置・材料の国際展示会「セミコンジャパン2022」(SEMIジャパン主催)が、14日から16日まで東京都江東区の東京ビッグサイト(東ホール)で開催される。2021年に続いてのリアル展となり、今年のテーマは「未来を変える。未来が変わる」(グローバルテーマ「FORWARD AS ONE」)。今回は新たに半導体パッケージングと、実装分野の最新技術の展示・カンファレンス・ネットワーキングを組み合わせた大型イベント「APCS(Advanced Packaging and Chiplet Summit)」も同時開催される。
同展示会は今回が46回目になる。出展企業は半導体産業における製造技術・装置、材料をはじめ、半導体製造工程全域にわたる600社1500小間が予定され、昨年を上回る規模になる。
新型コロナウイルス感染症への対策をしっかりと講じることを前提に、半導体サプライチェーン主要企業の最新技術、動向に触れる機会を提供する。
会場は前工程ゾーン(東4・5ホール)、後工程・総合ゾーンと部品・材料ゾーン(東1、2、3ホール)に加え、APCS(東1、2、3ホール)の展示で構成される。
前工程ゾーンは、エレクトロニクスデバイス製造の設計から露光・描画装置、レジスト処理装置、エッチング装置、薄膜形成装置などウエハー製造工程、ウエハープロセス工程などの最新製造設備がそろう。後工程・総合ゾーンは、ダイシング装置、ボンディング装置、パッケージング装置、試験・検査装置、ウエハー/マスク材料、プロセス材料、パッケージング材料などが出品される。
多彩なイベント開催
会期中、多彩なイベントが行われる。
▽14日=「アカデミアAward-大学研究室の成果発表コンペティション」。「アカデミア」出展の研究室が新規の研究発表を行い、未来に向かう研究を表彰することでさらなる発展の後押しする。
▽15日=Bulls&Bears「半導体製造装置市場の減速と成長再開のシナリオ」。半導体製造装置をカバーする国内トップ証券アナリストが登壇し、装置市場の行方を読み解く。
▽16日=「TECH CAMP ハッカソン成果発表会」(若手社員による10年後のイノベーション)。「10年後のためにイノベーションを起こそう」をテーマとするハッカソンを中心にセミナー、交流会を通じた多角的なプログラムで学ぶ集中講座。
▽同=自動車と半導体パネル「2030年に向けての課題」。今後10年先を見据えた自動車における半導体の要件と課題や、EV用バッテリーの調達、電力などのエネルギー問題の解決について、経済産業省と自動車に携わる企業が議論する。
▽同=「グランドフィナーレパネル」。SEMICON Japanの最終日を飾るグランドフィナーレパネルではソニー、東京エレクトロン、九州工業大学、台湾ファウンドリーメーカーからパネリストを招き、サプライチェーンが協調して取り組むべき戦略を議論する。
オープニングキーノートパネルにラピダス東哲郎会長ら登壇
キーノート講演には、先端半導体の研究開発で話題を集めるIBM Researchのダリオ・ジル氏をはじめ、インテル、クアルコム、ソニーセミコンダクタソリューションズ、NTTなど、グローバル半導体産業に関わるトッププレーヤーが講演する。
オープニングキーノートパネルには、前回に続いて甘利明衆議院議員自由民主党半導体戦略推進議連会長、東哲郎半導体・デジタル産業戦略検討会議議長、五神真理化学研究所理事長の3氏に加えて、ジル氏、小池淳義ウエスタンデジタル名誉会長を交えて日本の半導体産業への提言を議論する。次世代半導体製造を目指す新会社ラピダスの会長、社長に就任した東氏と小池氏が登壇することで話題を集める。
半導体後工程サミット「APCS」も同時開催
「セミコンジャパン2022」と同時開催の「APCS」は、半導体製造プロセスの後工程に関わる技術革新を生み出すイベントとして初めての試みになる。最新技術・ソリューションの展示エリア、世界のトッププレーヤーによるカンファレンス、VIP・キーマンとのネットワーキングで構成され、日本の半導体産業を加速させる新たなヒントを提供する。展示エリアには後工程に関わる最先端技術や、製品企業が出展する。
同サミットには、最先端の半導体開発をリードするグローバルリーダーが集結し、前工程と後工程を融合させて推し進める半導体技術の進化とその応用について語る。インテル(主導するチップレットの標準仕様「UCIe」の最新情報)はじめ、AMD、IBM、NTT(IOWN構想における光電融合デバイス技術)などの講演が予定されている。
半導体の微細化は物理的にも限界に近づいているため、高機能化や多機能化を継続していくために、3D/2.5D実装やチップレットプロセスが注目されている。これにより微細化に頼らず半導体の小型化や機能向上を実現。各チップのサイズを小さくできるため歩留まりも向上し、市場投入までの期間を短縮できる。
チップレットの利用拡大に伴って、これまでチップ内に形成してきたグローバル配線をパッケージの基板側に移すようになり、前工程と後工程の境目、際の部分に技術革新が起きている。
ここではシリコンウエハーではなく、プリント基板などの材料上にKrF露光による微細な配線を低コストで描く、後工程固有の最先端露光技術が求められる。この技術領域は、世界をリードするプリント基板メーカーが数多い日本の技術者の活躍の場でもある。