2023.01.01 【AV総合特集】23年のAV機器市場 生活シーンに合わせた提案がカギ

 行動制限のない2023年のAV機器市場は多様化する生活シーンに合わせた提案がカギになる。新型コロナウイルスとの生活も4年目に入り、家での過ごし方も、移動の仕方も、コロナ前の状態に戻りつつある。

 コロナ禍で〝おうち時間〟をより上質にする動きが進んだが、これからは生活スタイルに合わせて上質な時間をつくっていくようになり、趣味嗜好(しこう)の領域でもあるAV機器の役割はさらに重要になりそうだ。

テレビ、高画質・高音質に磨き

 家庭の中心となるテレビは、より大画面化が進むとともに、視聴環境に合わせて最適な画質と音質でコンテンツが楽しめるようになる。主要メーカー各社は今年も高画質化、高音質化に一層磨きをかけるとともに、放送波だけでなくインターネット動画など、あらゆるコンテンツを高画質で楽しめるような機能を強化してくるとみられる。

 映像に合わせて映画館のような立体音響を実現する仕組みも増えてきそうだ。テレビ単体で立体音響を実現できる製品が増えるほか、より高音質化を目指して、ホームシアターシステムへのステップアップにつなげられるようにしていくことも重要だ。さまざまな映像コンテンツを好きな時間に、好きな場所で視聴できるレコーダーの良さをいかに伝えていくかも課題になる。(2~3面)

高音質で完全ワイヤレスも

 趣味嗜好性の強いオーディオは、アナログからデジタルまで多様化する音源に合わせて良い音を楽しめる環境が整いつつある。年代を問わず高音質を求める声も多い。

 CDより高音質なハイレゾリューション音源も身近になり対応する機器も増えているため、ユーザー層をさらに広げていけるような働きかけが求められる。ワイヤレス化も進んでおり、イヤホンも完全ワイヤレスで高音質が楽しめるようにもなってきた。購買につながるきっかけづくりが23年の市場拡大のポイントになる。(4面)

エンタメがキーワード

 カーエレクトロニクス関連市場もエンターテインメントがキーワードになってくる。マイカーでの移動時の安心安全だけでなく、音楽や映像コンテンツを高音質で楽しめるような環境づくりも進む。市販製品ならではのコネクテッドに取り組むメーカーが増え、スマートフォンとの連携だけでなく、インターネット環境を車内で構築する提案も始まる。

 家庭内のレコーダーとつながり、録画コンテンツを移動中の車内でも楽しめるような機能も出てきた。23年はドライブ時のエンターテインメント機能がさらに進化してくるとみられる。(5面)