2023.01.18 【情報通信総合特集】MODE 上田学CEO

IoT・AI「データのソムリエ」に

 IoTプラットフォームに特化したサービスを提供する会社として2014年に米国で創業し、シリコンバレーと東京の2拠点で事業を展開している。

 今年は米経済の減速が予想されているが、IoTやデータ活用の分野ではまだ影響は出ていない。特に日本では、現場のデジタル化に対するニーズは日に日に高まっており、土木・建設関連が引き続き好調だ。製造機器メーカーからIoTを導入したいという引き合いも増えている。

 昨年2月に発表したクラウド型IoT基盤サービス「BizStack(ビズスタック)」では、コンストラクションとリモートメンテナンスの二つのソリューションを用意した。高齢化の影響もあって土木工事の現場の人手不足は深刻な状況。生産性向上に向けた標準化と省人化はリアルなニーズとして実感している。二つのソリューションに磨きをかけて、ごく少ないカスタマイズで短期間に導入できるようにしていきたい。

 一方で、ロボット導入で無人化した現場をクラウド経由で遠隔でモニタリングするシステムを求める声も増えている。導入の際、現場にどんなセンサーが必要か、ワインのソムリエのように最適なセンサーを勧める「センサーパートナープログラム」を昨年から始めた。センサーメーカー約20社と協力しており、今年は連携メーカーが大幅に増える見込みだ。監視にとどまらず、遠隔メンテナンスで得られたデータを蓄積し、問題が起こる前に解決に導く仕組みも目指している。

 メーカーとユーザー企業をつなぐ取り組みは人工知能(AI)にも応用し、無数にあるAIの中で、どこの社の技術が適しているかマッチングする「AIパートナープログラム」も昨年11月に立ち上げた。作業員の動き方などをAIで映像解析し業務改善につなげる導入事例も拡大している。

 AIの導入はハードルが高いと思われているが、「データのソムリエ」としてハードルを下げていきたい。今年はカバーエリアを拡大し、データを活用した業務改善や生産性向上に貢献したい。