2023.01.18 【情報通信総合特集】富士通ラーニングメディア 青山昌裕社長
人材支援のプログラムに注力
企業のDXやリスキリングの動きが高まり、人材育成投資も拡大傾向にある。DXが進む現代は、個人のスキル開発とともに組織のカルチャー変革が求められる。多様化する人材育成ニーズに対応し、個人と組織の成長を後押しする。
2022年度(23年3月期)は、コロナの影響は残りつつも人材育成投資は堅調に推移している。昨年は21年4月に吸収した富士通エフ・オー・エムの出版事業との組織融合など、新たな体制づくりも進んだ一年だった。社会的にもリスキリングが注目されるなど、「学び」に対する関心も高まっている。
22年9月には「札幌ラーニングセンター」を開設。最先端のDX関連の研修コースをはじめ、幅広い研修を受講することができる。これまで東名阪を中心にDX人材の育成サポートを行ってきたが、今後は地方にも広げていく。
22年末には「高知県版デジタルデバイド解消施策の構築に関する協定」を締結するなど、地方自治体とも連携を強化。近年、地方自治体からの問い合わせは増えており、①自治体の職員向け②地域住民向け③自治体のベンチャー企業向け―などのデジタル教育支援を行っている。
23年度は引き続きDXに力を入れるとともに、キャリア変革をサポートするプログラムにも取り組んでいく。その一環として昨年、プロティアン・キャリア協会とフォーデザインズと当社が協業。個人のキャリア変革と企業・組織のDXの両輪で変革を推進する、新たな能力・組織開発プログラムの提供も開始している。
またミドルシニア層活用に向けた組織・人事コンサルティングを行うライフシフト社と連携し、「ライフシフト大学 企業版」の提供も行っている。個人のキャリア形成支援を通じて、企業や組織のカルチャー変革につなげてほしい。
近年、人材を「資本」と捉えその価値を最大化し、持続的な企業の成長につなげるとする「人的資本経営」が注目されている。人に寄り添う研修サービスを通じて、組織の成長も支援したい。