2023.01.18 【情報通信総合特集】アイティフォー 佐藤恒徳社長

ブロックチェーン、電子証明を商用化へ

 昨年12月に創業50周年を迎え本社オフィスを1フロア増床し、リニューアルした。柔軟な設計でフリーアドレスに対応したほか、ペーパーレス化に向けコピー機も排除し働きやすい環境を整えた。

 2022年は、金融向けの非対面のWeb受け付けシステム「WELCOME」の販売が好調だった。住宅販売会社など他業種にも採用が決まり、さらに展開していくタイミングと捉えている。

 1台でマルチ決済ができるキャッシュレス決済クラウドサービス「アイ・リッツペイ」も堅調だ。累計約9万台を導入した。独自の取り組みとして台湾の電子マネーが琉球銀行で使えるようにした。提携する決済ブランドは計33に上っており、地方銀行との連携も進めていきたい。

 今後は、自動販売機の在庫管理と連携してロスなく補充できる仕組みも検討していく。

 自治体向け事業は、職員の減少もありBPO(業務アウトソーシング)サービスが順調だ。導入した市町村は100を超えた。税金の滞納管理ソリューションと、BPOを組み合わせた「デジタルBPO」も利用が広がっている。ふるさと納税関連のRPA(ロボットによる業務自動化)も検討していきたい。

 23年度は、売上高210億円、営業利益32億円を目指す中期経営計画の最終年度。初年度の21年度は過去最高となり好スタートが切れた。さらにキャッシュレスやセキュリティー対策などで足元の数字を固め、次期中計に向けた土台づくりをしたい。

 社会のデジタル化の鍵を握るのがブロックチェーン技術だ。九州工業大学とブロックチェーンを活用した電子証明書交付の実証実験や同技術を応用した産官学の取り組みを進めている。これまで培ってきた地方銀行などとの顧客基盤を生かし23年度中に道筋を示したい。

 金融、公共、流通などの当社のソリューションを業種横断で利用する「クロスセル」も社員に浸透しつつある。単一のシステム構築だけでなく、顧客の課題に寄り添った深みのある提案を続けたい。