2023.01.18 【情報通信総合特集】富士通コミュニケーションサービス 金井美紀和社長

顧客の成功につなげる支援に力

 2022年度は「変革の年」と位置付け、主力のコンタクトセンター事業やソリューションの見直しを進めている。これまで進めてきた顧客接点を改善するカスタマーエクスペリエンス(顧客経験価値=CX)向上への取り組みをさらに強化し、23年は当社にしかできない提案をしていきたい。

 長年培ってきたノウハウを28のソリューションに体系化した「デザイン・フォー・CX」は、顧客の要望に対し分かりやすく解決策を示せるよう見直していく。新たに取り組み始めている顧客の期待を裏切る体験となる〝痛点〟を見つけ出す施策も成果が出てきた。

 AIを活用し顧客体験の痛点を分析する独自開発の「痛点発見支援ツール」は、現在進めている約140プロジェクトのうち30で適用し速やかに顧客体験の状況を把握しつつある。当社だからできることで、消費者が製品やサービスの購入に至る過程をまとめた「カスタマージャーニー」につなげていける。今後さらに進化させCXサービスとして提供していく。

 23年は、企業がよりICTを使いこなせるよう支援するとともに、CX向上を通じてカスタマーサクセス(顧客の成功)へつなげる支援を強化する。多くの企業がクラウドの活用に課題を抱えている。当社はセールスフォース・ドットコムの利活用を支援してきたノウハウを持つため、企業のクラウドの継続利用をサポートしたい。

 CX向上を進めるためにセンターの在り方も見直す。現在のコンタクトセンターを、カスタマーサクセスに導ける〝カスタマーサクセスマネジメントセンター〟のような形に変えていきたい。人材育成ではCX研修をスタートした。年間10人を目標にリーダー育成プログラムを行っている。現場の従業員がCXについて考える「CXワークショップ」も2回実施し実践的な学習をしている。今年も継続していく。

 社内のコンタクトセンター基盤をクラウド化しており、主要部門でシステム移行が進んできている。全国拠点網の最適化も含め働き方を改善し、付加価値の高いサービスにつなげていきたい。