2023.01.18 【情報通信総合特集】日立ソリューションズ 山本二雄社長
DXとともにSX推進も重点に
2024年度を最終とする中期経営計画はデジタルトランスフォーメーション(DX)の支援とともに持続可能な社会に貢献する「サステナビリティートランスフォーメーション(SX)」の推進を重点施策に掲げた。
中計初年度の22年度はデータドリブン経営の取り組みが成果になってきた。顧客ごとに営業情報を可視化し提案する施策が功を奏し受注と売り上げが伸びたほか、製造業や流通業へのデジタル化の支援も進んだ。グローバルではマイクロソフトと連携を強化しクラウド移行の支援が拡大した。
SXの推進も始めている。SX投資を新設するなど事業拡大に向け投資を加速させる。今年度は12年ぶりにビジョンとパーパスの策定に向けたプロジェクトを始めた。DX/SXアイデアソンやサステナビリティーアイデアソンにも取り組み、事業化に向け4月から本格的に着手する。
23年は「環境」「社会」「安心・安全」の領域で価値を提供したい。環境ではグリーン×デジタルコンソーシアムに参画し日立グループ全体で脱炭素に取り組んでいく。社会では都市・建物のデジタル化や企業DXを支援するほか、女性の活躍を支援していく。女性ならではの健康管理を支援するサービスも提供する。
安心・安全ではセキュリティー支援を加速する。今後は事業継続を意識した「サイバーレジリエンス」を基本にする必要がある。4月に専任組織「サイバーレジリエンス推進センタ」を立ち上げた。引き合いも多く24年度に300億円の売り上げを目指す。OSS(オープンソースソフト)のセキュリティー対策も急務だ。OSSの安全性を確保するためにSBOM(ソフトウエア部品表)を活用したセキュリティー支援を強化する。
これからは若い人が活躍できる会社にしたいと考えEX(従業員体験)を高める人財施策を始めた。若手が自発的に活動するコミュニティーを立ち上げるなど、従業員主導の取り組みを進め、従業員満足度も上がってきている。業績も順調だ。従業員が自主的に取り組んできた成果で、さらにこの流れを加速させたい。