2023.01.17 【半導体/エレクトロニクス商社特集】オーエスエレクトロニクス 東海林尊信社長

東海林 社長

パワー系新商材を中台で発掘へ

 オーエスエレクトロニクスは1963年4月の創立以来、2023年4月に60周年を迎える。米オンセミの正規代理店として事業を拡大し、日本国内はじめ中国、台湾、米国など海外サプライヤーの半導体製品を幅広く扱う。

 台湾、シンガポール、香港、中国(上海、深圳)、インドに拠点を設けて海外事業も展開している。

 東海林尊信社長は「これまでに経験したことのない半導体不足が21年から継続しているが、当社の業績は円安効果もあり、創業以来の最高業績で推移している。23年は60年の節目になる。市場環境の変化も激しく、過去の経験にとらわれない判断が求められる。事業は半導体の需給しだいだが、為替変動や製造業の設備投資を注視しながら慎重に取り組む」と述べる。

 パワー系の商材を拡大し、台湾系のほか米トランスフォームと代理店契約を結び、GaN(窒化ガリウム)デバイスの販売を始めた。

 以前から取引のある台湾の半導体メーカー・ヌヴォトン テクノロジーが、20年にパナソニックから半導体事業を譲受したことで、旧パナソニックのマイコン、アナログICなどの販売も強化している。

 メモリーは大手メモリーメーカーが注力しなくなった低容量のレガシー製品を中心に提供する。台湾のSSDなどのメーカーとも代理店契約し、売り上げを伸ばしている。

 東海林社長は「全体的に先端デバイスよりもレガシーなデバイスが足りない。直近ではメモリーやマイコンは余剰感が出ている。依然として不足が続くパワー系の新規商材を中国や台湾系を中心に発掘したい」と言う。

 海外事業をを強化している。インドは約10年前から事業を始め、現在はデリーに本拠となるオフィスを構え、ベンガルールとプネにサテライトオフィスを設けている。ローカル企業向けビジネスで順調に伸ばし、eバイクや今後は車載にも期待する。

 台湾もローカル企業を顧客に、オンセミ製品や中国製マイコンなどを提供し、売り上げを伸ばしている。

 中国は日本からの移管ビジネスが中心になっている。新たに米国に拠点を設ける構想もある。