2023.01.17 【半導体/エレクトロニクス商社特集】ロチェスターエレクトロニクス 藤川博之代表

藤川 代表

自動車分野に本格参入をスタート

 ロチェスターエレクトロニクスは、世界の主要半導体メーカーが生産中止した(EOL)製品をオリジナルメーカーに代わって継続的に供給する半導体メーカーおよび代理店。グローバルで70社を超える半導体メーカーとパートナーシップを結び、高い品質の製品供給を行っている。

 同社の事業は、EOLビジネスと代理店としてサプライヤー製品を取り扱う現行品ビジネスの2事業。2022年前半は現行品特需が続き、後半はEOLの需要が高まるなど、前半と後半で市場の動きが全く違う一年だった。現在もEOL需要の高まりが続いており、23年は同社の事業の柱であるEOLビジネスの取り組みを加速する。

 日本オフィスの藤川博之代表は「コロナ禍や半導体不足による混乱を経て、半導体メーカーによる製造中止の動きは一層強まっている。急激に変化するサプライチェーンやM&Aも起こり、半導体メーカーも顧客も戦略を変えざるを得ない。当社が新しいソリューションを提案することで、顧客・半導体メーカー双方のBCPを実現し、持続可能なサプライに貢献したい」と話す。

 23年は自動車分野への本格参入も開始する。今月、同社施設での半導体製品の製造において、IATF-16949の認証を取得した。同認証は、自動車業界の国際的な品質マネジメントシステムに関する業界最高水準の規格。今回の認証取得により、同社の品質と信頼性が認められた。

 「自動車に搭載される半導体は増加傾向にあり、今後も重要度は増す」(藤川代表)とし、半導体メーカーと顧客双方への提案を加速する。

 営業体制の強化も進める。同社では営業部門を「ストラテジックアカウント」と呼ぶ重要顧客との関係性を強化する部隊と、それ以外の顧客を担当するブロード部隊に分け、営業活動を展開している。両部隊をバランスよく動かしつつ、マーケティング部門の支援を通じて戦略的な提案活動を行っていく。

 藤川代表は「23年は新たなパートナーを増やすとともに、新製品も拡充する。今年は原点回帰の年と捉え、多様化する顧客のニーズに応えられる体制を構築する」と話す。