2023.01.20 「攻めのDX」推進へ、経産省や東商などが支援強化

東京商工会議所による「ぴったりDX」の紹介ページ

 デジタル技術を駆使して日本企業の稼ぐ力や競争力につなげる――。そんな「攻めのデジタルトランスフォーメーション(DX)」を促す官民の取り組みが活発化してきた。経済産業省が4月から企業のDXを税制面で後押し。東京商工会議所は会員企業のデジタルシフトを多彩なメニューで支援する事業に乗り出しており、6月以降には中小企業とITベンダーを対象とするビジネス交流会を開く計画だ。

 経産省は、DXに必要な設備投資を行う事業者を対象に2021年度に創設した「DX投資促進税制」の期限を2年間延長し、要件を見直す。DXに向けた設備投資額の最大5%を法人税などから控除する措置で、24年度末まで適用される。投資額の上限は1社あたり300億円。

 経産省は税制措置を通じてDXの推進役を担うデジタル人材の育成と確保を支援するとともに、事業者が「成長性の高い海外市場の獲得や売上高の上昇につながる攻めのデジタル投資に踏み切れるようにしたい」考えだ。

 約8万社の会員を抱える東商が25年10月末までの3年計画で立ち上げたのが、「デジタルシフト推進サポート」(ぴったりDX)事業だ。「社内でデジタル人材を育てたい」「自社に合う適切なツールやサービスを選びたい」といった悩みを抱える中小企業のニーズに対応。DXをめぐる課題をITベンダーや教育機関などと共有しながら、多様な支援メニューを用意する。

 ITサービス各社も、DX支援の強化に余念がない。BIPROGYは金融機関や投資ファンドなどと連携し、中堅・中小企業のDX実現を「伴走型」で一貫支援するサービスに注力する。官民の総力を結集し、ITによる社内業務の効率化を中心とする「守りのDX」の活用レベルを高める機運が高まりそうだ。