2023.01.31 NTT PARAVITA、日本初の企業向け睡眠改善サポートの普及を目指す

専門のトレーナーが睡眠改善の適切なサポートを行う

睡眠データを取得するセンサーは、いつも使う自分のマットレスに敷くだけの簡単設置睡眠データを取得するセンサーは、いつも使う自分のマットレスに敷くだけの簡単設置

 日本人は慢性的な睡眠不足に陥っている。経済開発協力機構(OECD)が2021年に発表したデータでは、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、加盟30カ国中最下位だという。近年の研究で、睡眠時間は労働生産性にも大きく関係するという。このところ日本は生産性が上がらず給与所得の伸びない唯一の先進国となったのも、睡眠不足と深く関係しているかもしれない。

 NTT西日本とパラマウントベッドが出資して2021年に設立されたNTT PARAVITA(大阪市中央区、中野康司社長)では、ITを活用した睡眠改善サービスを提供している。

 同社では日本で初の企業向け睡眠改善サポートサービスとして、健康経営に意識の高い企業向けの「ねむりのあれこれ」を22年9月にスタートした。

 顧客企業の社員で、とくに睡眠不足、不眠症に悩む人対象に、睡眠時のバイタルデータ(心拍、呼吸、体動等)を測定し、個々人の睡眠状態を分析。

 同社の「睡眠改善インストラクター」(ねむりのパーソナルトレーナー)が、適切なアドバイスを行い、睡眠時間・質の改善に導くサービスだ。3カ月間、毎日の睡眠データを測定し、トレーナーが分析・個別指導してくれる。

 睡眠分析には大がかりな装置が不要で、Wi-Fiと連動するパラマウントベッド製のセンサー(Active Sleep Analyzer=レンタル)を、いつも使用している自分のマットレスの下に敷いてコンセントにつなぐだけ。圧力を検知し、体動や心拍などのデータを簡単に測定できる。

 サービスの導入コストは一人税込5万5000円(20人から)。すでに20社ほど導入している。NTT西日本でも350人程度に導入し、88%が睡眠改善につながったという。

 睡眠改善により労働生産性、パフォーマンス向上につながる。管理職、個人レベルでも睡眠改善の効果を実感できたという。

 睡眠に問題がある場合とそうでない場合の生産性損失コストは年間約32万円/人(経済産業省)という試算もあり、企業の生産性向上に効果的なサービスとして、広く普及を目指していく。

 (2月8日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)