2023.02.14 【省エネ大賞特集】理研計器 ガス検知器「GD-84Dシリーズ」 省エネルギーセンター会長賞

スマートタイプマルチガス検知器「GD-84D」

ガスセンサー大幅に小型化 4センサーを1台に集約

 理研計器は、半導体工場向けのガス検知器「GD-84Dシリーズ」が製品・ビジネスモデル部門で省エネルギーセンター会長賞を受賞した。

 半導体工場では、さまざまな可燃性・毒性の材料ガスが用いられる。ガスの漏えい検知のため、多数の検知警報機器がリソグラフィーやエッチング、インゴット製造などのプロセス各所に設置。大規模な工場では、数千点のガス検知器が稼働している。

 GD-84Dは省エネルギー性と省資源性、低コスト化を徹底して追求。半導体工場の大規模化に伴い、検知器の点数削減や導入・メンテナンスコスト低減などの要求の高まりに応え開発した。

 ガスセンサーの大幅な小型化を図り、従来比で体積は10分の1に。最大4個搭載可能になり、4台分(4成分)の検知器を1台に集約したのが大きな特長だ。

 従来器では1台に1成分のセンサーしか内蔵できず、検知器の数だけガス吸引と排気用の配管が必要だった。配管は数十メートルに及ぶケースもあり、取り付け費用も無視できない。

 GD-84Dはセンサーを最大実装した場合でも配管はインとアウトの2本で済み、施工コストも削減できる。本体サイズは従来器の約2台分で、実質的に省スペース化が実現した。

 ポンプやダストフィルターなどの消耗部品の交換コストも低減。PoEハブを組み合わせることで、電源や信号の配線を施工する費用も抑えることができる。

 1台に機能を集約するため、さまざまな改善を行った。センサーは小型化を実現しつつ、寿命は3倍に。プリント基板や電子部品の点数も大幅に減らしながら、消費電力は60%以上削減した。

 同社は世界第4位のガス検知器メーカー。ポータブルタイプも含めたラインアップを拡充し、さらなる浸透を図る。