2023.02.20 くるくる、ぴかぴか、メロディーとともに♪ 神戸の老舗靴バネメーカー発のパーティーグッズ 第3世代品発売へ
SUPERドリームキャンドル(提供=田中務補商店)
軽快な電子メロディーとともに、ぱちぱちと花火がはじける。ゆっくりと花びらが開き、火がともったキャンドルがくるくると回る。大切な人たちと見つめながら、思わず笑顔がこぼれる―。
そんなスペシャルなひとときを演出するのは、神戸の靴バネメーカー・田中務補商店(たなかかねすけしょうてん、神戸市長田区)が2003年から発売している「ドリームキャンドル」シリーズだ。
同社は、累計100万個の販売実績があるシリーズの、最新モデルである第3世代「SUPERドリームキャンドル」(税込み2450円)の卸販売を目指し、今月東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された生活雑貨などの展示会に出展した。今年秋にはクリスマス仕様も発売する予定。
●仕様
SUPERドリームキャンドルは、花を模した形状だ。中央に刺さった花火に点火すると、下方へ火が下がっていき、各花びらの先に付いたキャンドルに灯がともる。花びらがゆっくりと開き、メロディーとともに土台に付いたカラーLEDも光りながらくるくると回転する。使い終わった後は、花火が刺さっていたところにクリップを差し込むことで、カードスタンドとして活躍する。
第3世代の「SUPERドリームキャンドル」は、家電量販店ではヨドバシカメラでの販売準備が進んでいる。
第2世代の「ドリームキャンドルデラックス」(税込み1890円)はヨドバシカメラで販売しており、ビックカメラでも販売予定。担当者の田中那奈部長は、高齢者施設などへの拡大も視野に入れる。
●開発のきっかけ
パーティーグッズの開発は、靴バネメーカーとしては異色の取り組みといえる。開発のきっかけは、1995年1月17日に兵庫県を襲った阪神・淡路大震災だ。
同社がある長田区は震源に近い地域で、甚大な被害を受けた。同地区は全国屈指の靴製造業の集積地でもあるが、震災後、廃業に追い込まれた同業も少なくなかったという。田中伸明社長は、先代の社長と神戸を明るくしたいという強い思いを持ち、ドリームキャンドルを生み出した。
田中社長は「びっくり箱や傘から着想を得た」と話す。開くまで何が出てくるか分からないわくわく感と、花弁が開いた時の感動。どういうものを作るか、どうやったら喜んでもらえるか、「考えている時が一番楽しい」と田中社長は頬を緩め、今後は何年かアイデアを温めながら、「もっと驚かせる仕組みを作りたい」と語った。