2023.03.28 【電子部品メーカー・商社 中国拠点特集】 エレクトロニクス商社 中国営業戦略 伯東

近藤 統括部長

エネ関連の投資期待、大連の人員増強で北部に力

 エレクトロニクス商社・伯東は、事業エリアを「中華圏」「ASEAN圏」と区分し、中国、アジアの事業拡大に取り組んでいる。中華圏は伯東上海が華東、華北を担当エリアとして上海、北京、大連に営業拠点を設けている。伯東香港は香港と深圳に本拠を構え、中国側は広州、アモイ、武漢、成都に拠点を開設している。これに伯東台湾を加えて、域内一気通貫の営業体制としている。

 同社の中国ビジネスは半導体、電子部品と生産設備など電子・電気機器が主になる。

 近藤聡中華圏統括部長兼伯東上海総経理は「中国政府のゼロコロナ政策が終了し、人々の生活もコロナ前の日常に戻ってきた。製造業は昨年12月の感染拡大による稼働率低下など厳しい状況だったが春節明け以降、設備投資や自動車販売も回復しつつある。政府の経済対策によるエネルギー関連のインフラ投資なども期待できる」と話す。

 半導体、電子部品はEVなど自動車向けが多い。マイコンやパワー系半導体、BMSや充電設備向けコネクターなどにも注力している。

 電子・電気機器は中国ローカル企業向けビジネスが中心で、半導体製造やリチウム電池関連向けの真空ポンプなどが好調。プラズマコーティング装置、大学や研究機関向け加速器の需要も伸びている。

 伯東グループは2021年度から24年度を最終とする中期経営計画を推進している。近藤統括部長は「中期経営計画では製造業の自動化、環境、ヘルスケアなどに向けた新規事業や新しいビジネスモデルの構築に取り組んでいる。製造業の自動化では、現地のシステムインテグレーターと連携し、ロボットなども組み合わせ、提案できるような体制構築を目指している。環境では工場などの水処理や臭気対策、VOC処理設備、ヘルスケアではUVや次亜塩素酸水装置など衛生関連での販路拡大を進めている」と述べる。

 広域な中国市場で、より地域に密着した営業活動を拡充するため大連の人員を増強するなど、北部地区の強化を目指している。