2023.04.04 産総研の新会社に元TDK常務、NEDOトップは元IHI社長 政府系研究機関に民間出身者

 政府系の研究機関で新年度、民間出身者の活躍する組織発足や人事が相次いでいる。

 産業技術総合研究所(産総研)は今月、研究成果の社会実装に向けた体制と活動を強化するため、全額出資の「AIST Solutions(アイストソリューションズ)」を設立。社長には、TDK常務執行役員などを歴任した逢坂清治氏が就任した。社会課題解決と産業競争力強化を目指す。

 同社は、日本最大級の公的研究機関である産総研の技術資産と研究資源を活用。積極的なマーケティング活動を通じて、市場や産業のニーズに即応するため、オープンイノベーションの強化、エコシステムの構築や新規事業創出を進める。東京都港区と、産総研のある茨城県つくば市に拠点を置く。

 逢坂氏は「エレクトロニクス産業の発展に、企業という枠組みの中で取り組んできた。テクノロジーで社会課題を解決するという大きなミッションに、皆様と共に取りむ。幼いころに夢見た、科学技術が創造する美しい未来を目指して」と抱負を述べている。

 一方、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の理事長に、IHIで社長や会長を歴任した斎藤保氏が、1日付で就任した。任期は5年の予定。

 宇宙関連の部門などにも詳しい斎藤氏は抱負として、「NEDOに対する期待と責任が一層高まる中、持続可能な社会の実現に向け、『日本のエネルギー・環境政策はNEDOが支える』『日本のイノベーション政策は、NEDOがけん引する』という気概で尽力する」とした。

(4日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報しています)