2023.05.25 デジタル上に人格を再現 オルツが革新サービスでAI市場に新風

カンファレンスで公開された人格生成プラットフォーム「クローンデブ」のデモンストレーションの様子=東京都港区

エージェント生成プラットフォーム「オルツブレイン」について説明するオルツの米倉千貴代表取締役=東京都港区エージェント生成プラットフォーム「オルツブレイン」について説明するオルツの米倉千貴代表取締役=東京都港区

 利用者の人格をデジタル上に再現する世界初のシステムに注目が集まっている。仕掛けたのは、個人に合わせて最適化された人工知能(AI)「パーソナルAI」の開発を手がける新興企業のオルツ(東京都港区)だ。今夏に正式版を公開する予定で、国内外で急拡大するAI関連市場に新風を吹き込みそうだ。

 24日に東京都港区で開かれた「オルツカンファレンス2023」で、コミュニケーションに革新をもたらすサービスの「アルファ版」が相次ぎ披露された。一つが「CLONEdev(クローンデブ)」と名付けた人格生成プラットフォームだ。

 利用者が登録した個人の情報やSNS(交流サイト)上のデータ、音声などを基に個性や意思をくんだクローンを作り出す。正式版は8月に投入予定で、海外でも広く活用できるようにしたい考え。

 加えて、用途に応じて代理人を担うエージェントを生成できるプラットフォーム「altBRAIN(オルツブレイン)」も紹介した。独自開発の大規模言語モデル「LHTM-2(ラートム・ツー)」を駆使して、医療や金融など多様な専門領域に適したエージェントを迅速に構築できるようにする。

 用意するエージェントは約30種類で、職種は内科医や弁護士から教師までと多彩だ。年内には200体以上を生成できるようにする。正式版は7月に公開予定で、参謀役のブレーンを生成したい企業のニーズにも対応する。

 (26日、電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)