2023.06.21 【日本ものづくりワールド特集】東芝情報システム 自動アノテーションサービスなど出展
自動アノテーションサービスは短時間で大量に提供
東芝情報システムは、大量の教師データを短期間で作成する「自動アノテーションサービス」、精度を維持してディープニューラルネットワーク(DNN)モデルを高速化する「DNN高速化サービス」をメインに出展する。
自動アノテーションサービスは、顧客の教師例と教師対象データを、同社が預かり、高精度な教師データを自動作成し、短期間で提供するサービス。手作業による教師データ作成の中でも、特に時間を要するセマンティックセグメンテーションを対象にしている。
同社では、画像のセグメンテーション手法を複数組み合わせ、高精細な教師データを作成できる独自の自動アノテーションプラットフォームを開発した。自動アノテーションに必要となる事前学習を行っており、顧客から預かった少量の教師例を追加学習させることで、顧客仕様に合わせた高精度な教師データを自動作成する。
自動運転を想定した18クラスを認識する自動運転向け教師データ作成のベンチマークを実施し、塗りつぶしの正確さを表す指標であるmIoU84.7%の精度を達成している。
また、1日で9600枚の教師データの作成が可能だ。手作業で作成した場合、1日(8時間)で16枚の教師データしか作成できないことから、99%以上の作成時間を削減。AI開発の期間を大幅に短縮できる。
「まずは、当社と関わりの深い国内の車載画像認識用途に向けてサービスを提供。顧客の引き合いに応じてロボットや医療などの他分野への展開も検討していく」と同社エンベデッドソリューション事業部商品企画部の高橋純也主査は話す。
DNN高速化サービスは、同社独自のニューラル・アーキテクチャー・サーチ技術により、短期間で最適な画像認識DNNモデルを提供する。大規模・高精度になっていくDNNモデルの最適化には、認識精度と処理性能がトレードオフの関係にあり、また、最適化には修正・計測・評価を繰り返すため、コストと期間が必要になる。これらの課題を、同技術により解決する。
「お客さまのDNNモデルから、多数のDNNモデルを自動で生成し、その中から最適なDNNモデルに差し替えていくことで、精度を犠牲にすることなく高速化」(同)ができ、従来の人手によるモデル改善に比べ、大幅な処理時間短縮と開発期間圧縮を実現する。