2023.07.07 【JECA FAIR2023製品コンクール特集】日本電設工業協会奨励賞 東光高岳の中容量EV用急速充電器「HFR1-15B11」

業界最薄の壁掛け型中容量急速充電器「HFR1-15B11」

業界最薄本体200ミリメートル
24時間365日保守サービスも強み

 東光高岳は、EV(電気自動車)用急速充電器で日本電設工業協会奨励賞を受賞した。

 「HFR1-15B11」は最大出力15kWの中容量タイプ。

 主な利用場面は目的地での充電だ。法人による工場や事業所での利用、個人による商業施設や宿泊・レジャー施設など駐車時間が2~3時間と比較的長時間になる場所での利用が適用の目安となる。

 出力3~6kWの普通充電器では8時間以上の充電時間がかかり、住宅や事業所の駐車場などで車を利用しない時間帯に充電するのが主な利用法だ。一方、急速充電器は出力30~120kWで高速SA/PA、道の駅、コンビニなどで移動経路での30分程度の短時間充電に活用する。

 同社では30kW、50kW、120kWの各種急速充電器をラインアップ。納入実績は約4000基で、国内の公共用急速充電器の約4割を占める。

 こうした急速充電器は、短時間で充電できる半面、大型で設置には基礎工事などが必要。既存の駐車スペースに設置する際は、車止めの位置などを変えなければいけない場合もある。

 HFR1-15B11は「業界最薄」200ミリメートルの薄型本体が特長。22sqと細身のケーブル径で、ほかの急速充電器に比べ取り回しも容易だ。昨年10月に発売し、想定を超える需要の声がある。自動車メーカーのほか、公共交通事業者や運送会社、倉庫業など多様な業種からの引き合いが続く。今年度は「数百台」の販売を目指す。

 同社の強みの一つは保守サービスだ。100%子会社のミントウェーブが、急速充電器に特化したコールセンターを設けて24時間365日対応で利用者をサポートする。

 EV充電器は経済産業省の補助金制度による導入促進策に伴い設置数が増加。2023年度は前年度の3倍近い約175億円に増額され、さらなる普及が期待される。

 同社の急速充電器はCHAdeMO規格に対応。今後、市場動向に従って海外などへの展開も想定する。