2023.07.11 【家電総合特集】調理家電
省手間は調理家電で重要な項目
〝ほったらかし〟人気は継続
こだわりで選ぶ傾向に
コロナ禍で大きな注目を集めた調理家電は、ユーザーニーズに応える機能を搭載した個性的な製品が多く開発されている。
日本電機工業会(JEMA)によると、5月の炊飯器国内出荷台数は、前年同月比9.8%減の32万2000台、電子レンジは同5.5%減の21万1000台。オーブンレンジは、同11.9%減の13万台だったが、単機能レンジは、同7.1%増の8万1000台となった。
自身の生活スタイルに合わせて必要な機能を見極めて購入するユーザーが多く、販売店の担当者は「生活水準で同ランクの家電を買うのではなく、こだわりに合わせて購入するケースが多い」と話す。
高付加価値製品に注目が集まることが多いが、比較的安価でシンプルな単機能製品も需要がある。
コーヒーメーカーや炭酸水メーカーといった、味の好みやこだわりが人それぞれある嗜好(しこう)品は、価格帯や機能も幅広い。手軽に楽しめるものから本格的なものまで、さまざまな楽しさを提供する。
内食の増加で注目が集まった、調理の手間を減らす「ほったらかし家電」は、より個性を大切にした製品が多く人気は継続している。
材料や調味料を入れてボタンを押すだけで、炒める、蒸す、煮るなどの基本的な調理から、無水や低温などトレンドの調理にも対応する自動調理鍋は、各メーカーが開発に引き続き取り組んでいる。
煮物の定番「肉じゃが」も、より味を深く沁み込ませるものや、食材の食感にこだわったものなど、製品によって仕上がりにも個性がある。
ユーザーにとっては、好みの味が追求しやすく、製品を選ぶ楽しさもある。
個性は、デザインにも強く表れている。トレンドのくすみカラーを採用した製品は、SNSで「映える」と多く投稿された。そのほか、モノクロでシックなデザインや花柄などでかわいらしい昭和レトロなど、さまざまなデザインの製品が発売された。
家電量販店でも、デザイン家電としてコーナー展開してユーザーにアピールした。「さまざまなデザイン家電をラインアップすることで、購入を検討する人以外にも目を引く売り場となり、売り上げにもつながる」(担当者)。
省手間だけでなく、生活を豊かに彩る製品として、機能とデザインが個性的な調理家電をユーザーに訴求する。