2023.07.18 NECが沖縄に光海底ケーブル設置 データ増大に対応、災害への備えも

ケーブル網の地図(ソフトバンクの資料から)

ケーブルの陸揚げの様子(NEC提供)ケーブルの陸揚げの様子(NEC提供)

 NECは今月、建設を進めてきた沖縄本島と石垣島、宮古島と久米島を結ぶ光海底ケーブルの建設を完了し、沖縄セルラーに引き渡したと発表した。

 総延長距離約720キロメートルで、最新の光波長多重伝送方式を採用することにより、毎秒60テラビット以上の設計容量を実現。

 沖縄の離島エリアでの生活や産業などさまざまな場面で、データ通信需要の拡大に対応する。

 NECは沖縄セルラーとの間で2019年に、沖縄と鹿児島を結ぶ光海底ケーブルの供給契約を締結、建設を完了しており、今回の案件はそれに次ぐケーブルとなる。

 IoTやAI(人工知能)、DX(デジタルトランスフォーメーション)などによる産業の多様化や、離島を含む地域社会の活性化を支援する。同時に、想定されている南海トラフ地震など大規模災害に備え、本州から沖縄本島、そして離島へ安定的な通信サービスを確保する重要な通信インフラとなるとみられる。

 NECは50年以上にわたり、海底ケーブルシステム事業を手がけるトップベンダー。地球10周分に当たる延べ40万キロメートル超の敷設実績があり、グローバルに事業を展開している。また、海底ケーブルや海底中継器、陸上に設置する伝送端局装置などの製造に加えて、海洋調査とルート設計、据え付け・敷設工事、訓練から引き渡し試験まで、全てをシステムインテグレーターとして提供している。