2023.07.21 生成AIの国内開発加速へ 経産省、有識者委員会立ち上げ 支援策を検討

 経済産業省は21日、利用者の指示に基づいて文章や画像などを自動生成する「生成AI(人工知能)」の開発を加速するため、開発支援策について検討する有識者委員会を立ち上げた。世界的に生成AIを巡る開発競争が激しさを増す中、AIの中核を担う「基盤モデル」の開発企業への支援を急ぐ。

 生成AI開発の支援スキームを検討する今回の有識者委員会は大学や企業の関係者らで構成。その第1回会議を同日に開いた。

 各国で生成AIの開発が進む中で経産省は、「日本としても開発能力を確保することが重要」と判断し、検討に乗り出すことにした。「どういうスキームにすると(開発面の)効果が大きくなるかを検討したい」という。

 生成AIを巡る開発スピードが速まる中で経産省は、開発で肝となる計算資源について利用可能なものを一括調達し、国内の基盤モデル開発に生かしたい考え。あらかじめ勝ち筋のモデルや体制を特定することが難しい状況も踏まえ、短いサイクルで開発した成果にも目を向けながら、支援対象を段階的に絞り込んでいく。

 基盤モデルの開発では、スーパーコンピューターなどの計算資源を駆使し、膨大なデータを学習させる必要がある。そこで経産省は支援スキームを通じて、基盤モデルの開発企業に計算資源の利用サービスを提供することを視野に入れている。生成AI開発の遅れが指摘されている日本勢を強力に後押しすることが狙いだ。