2023.07.27 【半導体/エレクトロニクス商社特集】エム・アールエフ システムの小型化貢献 加熱用半導体式発振器、米社製の提案に注力
佐伯 社長
エム・アールエフ(M・RF、佐伯裕昭社長)は、高周波部品・機器の販売とコンサルタントを事業目的とする高周波の専門商社で、特徴を生かしたカスタマーサービスには定評がある。
同社は、米ミニサーキット社のハイパワーアンプを活用した加熱用半導体式発振器(加熱用半導体式2.45ギガヘルツ 1kWシステム)の提案を強化。コンパクトサイズ、低価格、短時間での加熱処理、均一加熱などを強みに、プラズマ表面処理装置や半導体製造装置などに提案していく。
ミニサーキットの加熱用半導体式発振器は半導体式のため、通常のマグネトロン式と比べ小型で低消費電力。小型DC電源で動作でき、システムのコンパクト化に貢献する。
加えて、通常の半導体式発振器よりも大幅な低コスト化を実現した。背景には、約5年前には250Wアンプが約100万円していたのに対し、ミニサーキットが新たに10万円以下の低価格で半導体式アンプ(ソリッドステートパワーアンプリファイヤー)をリリースしたことがある。
2.45ギガヘルツ 1kWシステムの高周波部品は116万5000円(ヒートシンク、DC電源除く)で構成可能。ヒートシンクやDC電源、ラックマウントを含むトータルシステムを200万円で構成可能となり、既存の半導体式の5分の1程度で提供できる。
半導体式のため短時間での加熱処理が可能。出力パワーと反射パワーをモニターする機能を装備し、最も反射が少ない周波数ポイントを探し出し、対象となる有機物に最も熱が伝わる周波数でパワーを伝達する。パルス出力/周波数スイープしてパワーを出すことができ均一加熱を実現。マグネトロン式と比べ長寿命でメンテナンス性にも優れる。
販売は、発振器やアンプ、合成器などの個別販売からトータルシステムまで柔軟に対応する。
ミニサーキットは1968年設立の高周波部品の老舗メーカー。LTCCテクノロジーを利用した準ミリ波5G向けバンドパスフィルター、バラン、カプラーなどの品ぞろえを充実させている。