2023.07.27 【半導体/エレクトロニクス商社特集】伯東 電子部品事業など3事業主力 部門横断でシナジー

阿部 社長

 伯東は半導体・電子部品、電子・電気機器(システム)、工業薬品の3事業が主力。2023年3月期も車載を中心に電子部品セグメントなど好調で、売上高は22%増と7期連続増収、営業利益も74%増と前年度に続き過去最高を更新した。

 阿部良二社長は「車載関連などまだ逼迫(ひっぱく)しているものもあるが、半導体・電子部品の供給不足はかなり緩和。業績は車載や産機分野の設備投資の動きに後押しされているが、為替による押し上げ要素も大きい」と気を引き締める。

 電子部品事業は車載用ICや産機向け半導体デバイス、LCDパネルなど一般電子部品が堅調。電子・電気機器事業は半導体関連の設備投資の需要継続で、PCB関連や真空機器が伸長。「各地で設備投資の動きが続いており、確実に取り込む」。半導体関連投資の相次ぐ熊本にサービス拠点を開設。半導体製造関連機器の販売とサポート体制を充実させ、さらなる事業拡大につなげる。

 21~24年度の中期経営計画で事業構造転換を掲げ、各事業でソリューションビジネス強化に重点を置く。部門横断プロジェクトチームを中心に事業を超えたシナジーも図る。

 一例は電子部品と工業薬品事業のコラボであるAI活用ソリューション。工業薬品事業の顧客の製造プロセスで起きる、泡による悪影響を監視・制御するもので、今年度に実証実験を展開。成果を踏まえ事業化を目指す。「当然、横展開も考える」。

 半導体のラインカードに一部移動があったが、商品構成を変化させる中で収益力を強化。マイコンやレーザーダイオード、バッテリー監視ICなどを得意とするヌヴォトン テクノロジージャパンとの代理店契約に伴い、今年度から本格展開。EVや産機向け、装置、素材など商材を今後も拡充する。

 海外事業では、アジアの組織を中華圏統括(中国、香港、深圳、台湾)とASEAN圏統括(シンガポール、タイ、マレーシア)に大別、それぞれ域内一気通貫の営業体制を整備。地域ごとの戦略を構築し、地域密着の事業を強化する。