2023.08.09 家電量販店5社の4~6月決算 消費行動の変化で全社減益
ドラム式洗濯乾燥機など高付加価値機種の需要は強い
大手家電量販店5社の2024年3月期第1四半期(4~6月)連結決算が出そろった。新型コロナの「5類」移行で変化した消費行動のあおりを受けた上、物価高による消費マインドの低下もあり、各社とも苦戦が目立つ。ドラム式洗濯乾燥機といった付加価値の認められた商品の動きは堅調である半面、コロナ下の巣ごもりで需要の先食いが発生していたことも家電需要を全般的に押し下げ、業績に響いている。
5社のうち、増収となったのはノジマのみ。これは、キャリアショップ事業を展開するコネクシオと金融事業を行うマネースクエアHDを昨年度に子会社化したことによる影響が大きい。コネクシオなどの子会社化で4~6月の売上高は1700億円を突破し、5社のうち2番手に浮上した。
最大手ヤマダホールディングス(HD)は、ECや家具、インテリア雑貨、リフォームの販売が順調に拡大したほか、住設機器子会社ハウステックも増収増益を達成。今後の成長の要と見る環境事業も成長を続けている。7月からは三菱自動車の電気自動車(EV)の販売も開始。暮らし丸ごと戦略の総仕上げで、25年3月期を最終年度とする中期経営計画の達成を目指している。
ケーズホールディングス(HD)は、洗濯機や理美容・健康器具などが前年同期を上回る販売となったものの、業績全体を支えるまでには至っていない。人件費や光熱費の増加も利益を押し下げている。
エディオンは、昨年同期に好調だったエアコン販売が後ろにずれ込んだこともあり、減収減益。ゲームやおもちゃの売り上げ構成が増えたことも粗利の減少につながった。一方、非家電分野の強化に取り組んでおり、今年4月には排水管クリーニングサービスの提供を開始している。
上新電機は、携帯電話やゲーム、おもちゃなどの販売は前年同期を上回ったが、テレビや冷蔵庫、エアコンなどの大型家電が苦戦した。
(11日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)