2023.08.31 【ソリューションプロバイダー特集】MODE 上田学CEO

IoTと生成AIを連携
「ビズスタック」の機能強化

 IoTプラットフォームに特化したサービスをシリコンバレーと東京の2拠点で事業を展開している。主力のクラウド型IoT基盤サービス「BizStack(ビズスタック)」はデバイスや車両、ロボット、産業機器などのデータの収集から、蓄積、活用までトータルでIoTサービスを提供する基盤システムとして浸透しつつある。

 自社データを活用して現場業務を支援したいと考える企業は増えており、建設業や製造業を中心に30社以上に導入できた。

 新機能として、対話型生成AI(人工知能)をビズスタックに組み込んだサービスを展開する。建設や工場などの現場データから異常が検知された際、スマートフォンを通じて生成AIが自動で現場作業員に話しかけ、現場の状況を知らせることができる。

 これまでは、リアル空間で計測した数値やグラフといった現場データは、現場事務所などに設置したパソコン(PC)画面にダッシュボード形式で表示して確認してもらっていた。ただ導入企業から「現場作業員はいつもPCの前に座っているわけではない」「PCでしか確認できないのは不便」といった要望が寄せられていた。

 こうした声を解決したのが生成AIだ。グラフのデータをAIに学ばせることで、ダッシュボード上の必要な情報を対話形式でプッシュ通知できるようにした。

 例えば、工場の点検やメンテナンス作業でポンプに異常が検知された場合、生成AIが作業員のスマホを介して「異常が出ました」と通知する。従業員が「ポンプはどこにあって、どんな状況か」と尋ねると、地図やグラフといった情報を生成AIが取り出して画面表示してくれる仕組み。スマホの小さい画面でも使えるようインターフェースの実現に自然言語の生成AIを活用した形だ。音声による会話機能をさらに改善し、秋ごろの正式リリースを目指している。

 企業活動や生産活動の現場にはさまざまなデータがあるが、活用しきれていないことも多い。ビズスタックはそうした現場のリアルタイムデータを入り口で整理してクラウドで管理できる。年初には約20社だったセンサーデバイスのパートナー企業も33社に膨らんだ。

 今後は土木業界や倉庫、ビル、エネルギー産業にも訴求していきたい。IoTを活用すれば地球上の全ての現場作業はデータで効率化できると考えており、この領域でリーディングカンパニーを目指したい。