2023.09.07 「AI同様、ARは日用品に」 中国XREAL共同創業者インタ 市場浸透の展望語る
同社の製品の例
AR(拡張現実)グラスを開発・販売する中国XREAL(エックスリアル)。日本法人も展開。携帯キャリアなどと協業するほか、ゲーミング市場なども強化している。共同創業者のPen Jin(PJ)氏にオンラインでインタビューし、AR技術の今後を聞いた。
Nreal名で2017年に中国で創業した同社。今年、ブランド名と社名を変えたばかり。「X」に込めた「デジタルと現実、過去と未来、現在と未来をつなぐ架け橋」のビジョンを打ち出す。「AR技術を使えばより鮮明に、リアルに視覚体験ができる。日常生活から産業、医療など多様な展開が考えられる。そうした技術を通じて企業や消費者、社会に貢献したい」と展望する。
巨大な仮想画面を提供できるデバイスの技術も発表しており、「これを使えば、たとえば狭いマンションに住んでいる人でも、大画面を持つシアターや、ホームシアターにいるのと同様の体験ができる。移動先でも使え、旅や出張の時も活用できる。住環境や場面の制約を受けない」と指摘する。
いわば視覚体験の「民主化」ができる形だ。
ゲーミングにも力を入れている同社。今年の東京ゲームショウにも出展し、新しいパートナーとのマッチングも図る。
また、生成AIについて、「社内で関連の専門チームを設置した。生成AIを活用した新しい取り組みを半年ほどのうちには発表できるだろう」と予告した。
AR技術の今後では「デジタルツーリズムやインダストリアル(産業)、ヘルステック(医療)などが特に有望」と例示。「ARはまだ特別なものとして扱われているが、いずれ水道や電気のように、日常生活のコモディティーになるだろう。生成AIなどが今は〝活用する〟と言われているのが、いずれ普通に〝使う〟ものと言われるようになるのと同様だ」と展望した。
日本市場にも注力する。「日本の消費者は要求が厳しく、日本で成功すればほかの地域でも成功する。顧客のあるところにはリミットレス(上限なし)で投資したい」と意欲を示した。このほか、日本市場に浸透するため、文化の違いを踏まえた取り組みなども語った。
(8日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)