2023.10.12 三菱電機ソフトウエアの戦略 福嶋秀樹社長に聞く
福嶋 社長
「横通し」で事業拡充
自主事業の成長も
三菱電機ソフトウエア(MESW)は、昨年4月に発足して約1年半。三菱電機のソフトウエア設計子会社6社と1社の事業部門を統合し、従業員約5000人余、売上高1000億円規模の大規模子会社として、事業を展開する。三菱電機の成長と共に事業を広げることはもちろん、三菱電機以外を顧客とする自主事業の割合を、従来の2割弱から3割まで高めることを視野に、人材も強化していく。福嶋秀樹社長に展望などを聞いた。
―統合の背景を改めて伺えますか。
福嶋社長 社会全体のDXや顧客価値のデジタルシフトなどを背景に、高度化・複雑化が進む顧客の要求に応えることを目指した。三菱電機は巨大なコングロマリットだけに、事業領域も顧客も幅広いが、そこにソフトウエア技術で横通しをすることを目指す。
また個社で研究開発など投資をするよりも、まとまった形で進めたほうが効果が上がる。従来以上に投資を進める。
―統合は順調でしょうか。
福嶋社長 人事や福利厚生などのシステムは2023年度に統合し、24年度には運用が始まる。社内での情報交換を進める仕組みも構築している。「こういう事業を手掛けているのか」といった気づきがあり、新しいビジネスにもつながる。
各部門の技術紹介を進め、Teamsで共有したりしている。
―人材強化に取り組んでおられます。
福嶋社長 対応しきれないくらい仕事をいただいており、人材強化を図っている。採用も増やしており、新卒は今春は140人前後で来春は200人規模を見込む。
さらに駅サイネージやテレビ番組の見逃し配信、SNSの動画広告などで情報発信もしている。大学の近くでも特にブランディングを強化。駅などでの情報発信は従業員の士気も上がる。人材には今後も投資をしていく。 「三菱電機ソフトウエア」(MESW)という名前自体、もっと浸透させないといけない。
(このほか、オーガニックな成長、さらに広げる分野などの戦略を聞いた。13日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)