2023.11.10 【電池の日特集】FDK プレミアムS 「サスティナパック」を展開 連続放電性能が向上

サスティナパック採用の「プレミアムS」

 FDKは、10年保存できる高性能なアルカリ乾電池を訴求していく。100%紙素材で包装した「サスティナパック」も展開し、環境負荷の低減を目指した取り組みも強化している。

 日本国内で製造している同社のアルカリ乾電池「Premium(プレミアム) S」は、高性能と長期保存性能とともに、高品質なのが特徴だ。単1形から単4形まで静岡県湖西市の鷲津工場で生産することで、高い信頼性を確保している。

 独自技術として、正極缶とニッケルめっき層の間にレアメタルコートを採用。酸化による内部抵抗の上昇を防ぎ、液漏れの原因となる電池内部からの鉄(Fe)溶出を抑制する。さまざまな用途で使われるアルカリ乾電池は、材料から製法まで日々改良と性能の向上に努め、厳しい品質検査をクリアした製品だけを提供するようにしている。

 プレミアムSは、放電末期の負極の内部抵抗上昇を抑える「パッシベーションブロック技術」を採用した新製品を今年3月に発売。中軽負荷での連続放電性能を向上している。

 コールマンのクアッドマルチランタンを用いた放電実証試験(単1形利用)で、連続点灯時間を従来品に比べて約3割伸ばすなど、さらなる高性能化につなげた。単3形では、正極材料を増やしたことでも放電性能を高めており、携帯電灯を使った放電性能の比較では従来品に比べて約4割伸ばしている。

 大電流から中電流まで幅広い機器に対応した「ハイパワー」、普段使いの機器に適した標準タイプ「ロングライフプラス」でも新技術を採用し、単3形でそれぞれ3割放電性能を高めている。展開するラインアップ全体で高性能化を図った形だ。

 また、プレミアムSは、サスティナパックで環境負荷の低減にも取り組んでいる。

 包装材印刷の一部に生物由来の資源であるバイオマスを配合したインキを使用して二酸化炭素(CO₂)削減に貢献するとともに、包装部材には環境配慮の「森林認証紙」を採用。適切に管理された認証林や、責任を持って調達された原材料で作られた製品に認証ラベルを付けて消費者に届ける仕組みの「FSC認証」を取得したもので、今後、こうした環境配慮の取り組みにもさらに力を入れていく構えだ。