2023.11.20 〝まさぐる〟ロボットハンド公開 ばら積み部品をピッキング スタートアップのシンカー

ばら積みの中から1本のネジをつかむ

 大阪大学発スタートアップ企業のThinker(シンカー、大阪市中央区)は11月20日、都内で次世代型ロボットハンド「Think Hand F」(アルファ版)を公開した。開発品は量産化を見据えたもので〝指先でまさぐる〟動作を実現。カメラを使うことなく、ロボットマニピュレーションの分野では難しいとされるばら積みの部品を自動でつかむ。

 同社は「近接覚センサー」を活用したロボットセンサーの事業化を進めてきた。このセンサーは赤外線の受発信により、対象物との距離や角度を非接触で測定。赤外線の信号処理はAI(人工知能)が行う。

 今回のロボットハンドには近接覚センサーとともに、ばねの力を介してフィンガーの関節を柔軟に保つ機構を採用している。

 シンカーは2024年度に量産化の体制を整える方針だ。藤本弘道CEOは「しっかりと現場での実証を進めたい。自動車や家電の工場などへの導入や、協働ロボットの手先の部分として検討していただければ」と述べた。